現在も続く『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送系)は、90年代はあらゆる方面に毒づいていた。そのターゲットとなったのが、女優の菅野美穂が主演したドラマ『イグアナの娘』(テレビ朝日系)だ。
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萩尾望都の名作マンガを原作とする本作は、自分自身の姿がイグアナに見えてしまう少女が主人公。母親から見た彼女の姿もイグアナであるため、愛情を受けられない。切ない設定の物語が話題を呼び、最終回の視聴率は19.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録する大ヒットドラマに。しかし、ナイナイはそのタイトルに噛み付いた。
1996年3月28日深夜の放送で、岡村隆史は「たけしさんがかぶる、かぶりものものみたいなイグアナが泣いてたりすんねんで」「イグアナがセーラー服着て……」とひたすら毒づく。矢部浩之も「(イグアナ芸をレパートリーに持つ)タモリさんに聞け」と乗っかった。
内容に対する批判ならともかく、単に「タイトルが変」という要素をひたすらコスり続ける。当時の菅野はアイドル的な人気もあったため、この姿勢にリスナーからも抗議のFAXが殺到し、放送中に用紙切れが起こるハプニングも起こった。
この騒動は、2009年に刊行された番組企画本『ナインティナインのオールナイトニッ本(vol.1)』(ワニブックス)の付録CDでも振り返られている。岡村は「ただの輩ですよ、こんなん」「チンピラやからこん時」と反省。のちに菅野と番組で共演し、わだかまりはなくなっていると後日談を披露している。
「内容を見ずに批判」は、現在のネット社会にも見られるスタンスだろう。有名人であるナイナイがそうした発言をしてしまったのは、軽率であったかもしれない。