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稲垣吾郎、東京国際映画祭で運命的な出会い「俳優として最高の体験」今泉力哉監督作を振り返る

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稲垣吾郎、今泉力哉監督

 26日、都内で開催中の「第35回東京国際映画祭」に、俳優の稲垣吾郎が今泉力哉監督と登壇。同映画祭のコンペティション部門に出品する映画『窓辺にて』(11月4日公開)の撮影を振り返った。

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 稲垣は同作で、妻に浮気されながらも、何も言えない主人公・市川茂巳を演じる。今泉監督とは本作で初タッグとなったが、二人の出会いの場は2018年の東京国際映画祭であったと言い、稲垣は「今泉監督の映画のファンだったので、お会いできて本当に良かった」と4年前を懐かしむ。

 今泉監督も「その後、コロナ禍の時に稲垣さんと対談する機会があったんです。稲垣さんが映画を紹介するコーナーを持っていたんです。稲垣さんはまだ知らなかったけど、僕はすでに稲垣さんでこの映画を撮るという話をいただいていたので、対談中、稲垣さんから『僕で映画を作るならどんな役や内容になりますか』と聞かれて。こっちはそれを考えているところなんで、なんて答えようかって悩みました」と振り返る。

 出演決定後、台本を受け取った稲垣は、今泉監督の台本に感銘を受けたことも明かし、「今泉監督らしい脚本だなって思いました。監督はオリジナル作品から原作ものまで脚本されるんですけど、今泉さんが生み出した言葉だなというのがセリフの随所にあって、僕をイメージして脚本を書いてくださったなというのも伝わりました」と話す。

 登場するセリフにも、印象的なものがたくさんあった様子。稲垣は劇中の「理解なんかしない方がいいんだよ、理解しても裏切られるんだから」というセリフが話題に挙がると、そのセリフについて「すごく理解ができる」と話す。「もしかしたら僕も自分が結婚していて妻にそういうことがあれば、ショックはショックだけど、その場でうまく感情表現ができないとか、普通だったらそのくらいのことがあったら、このくらい怒らないといけない、このくらい落ち込まないといけないという一つの線みたいなものがあって、そこに達していないといけないのかなと思ったり……。ああいう主人公の気持ちに自分もなると思います」と自身の見解を述べる。

 稲垣を想定した台本だったが故に、撮影は自然体の演技で臨んだとも明かし、「ここまで役作りしない役もないというくらい役作りはしなかった。自然に佇んでいれば茂巳として存在できるって思った」とコメント。「今泉組のお芝居のスタイルに自分をチューニングしていくような感じでした。俳優として最高の体験でした」と本作を振り返っていた。

(取材・文:名鹿祥史)

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