報道によると、野間はこの日本拠地・マツダスタジアムで行われた秋季練習後に取材に対応。そこで「来年もお世話になると決めました。いろいろ考えて、やっぱり取ってもらったところでお世話になるのが一番」、「複数年もらえるような選手ではない。まだまだこれからだと思うので、一年一年また頑張りたい」と単年契約で残留する旨を表明したという。
野間は今季主に1番打者として、規定未到達ながら「85試合・.312・0本・16打点」と3割以上の打率をマーク。新井貴浩新監督は10月12日の就任直後から残留を熱望しており、野間本人も同月13日に「そう言ってもらえるのはありがたい。残れば、新井さんの思う野球に貢献したい」と前向きなコメントを残したことが伝えられていた。
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野間の残留表明を受け、ネット上には「今オフの懸念事項が一つ解決してホッとした」と安堵の声が上がったが、中には「単年残留だと心から喜べない」、「来年好成績ならまた流出問題浮上するリスクがある」、「なんで複数年じゃなく単年なんだ? それだと問題を先送りしただけじゃないか?」といった、単年契約に対する疑問も見られた。
球界ではFA取得年に好成績を残している選手に対しては、権利行使せずこのチームで長くプレーしてほしいという誠意と共に、翌年も流出問題に直面するリスクを避ける意味も込めて複数年契約が提示されるのが一般的。広島も直近では昨オフ、大瀬良大地(3年総額8億円/推定)、九里亜蓮(3年総額6.5億円/同)の2名が複数年契約でFA残留している。このこともあり、なぜ野間は単年残留なのか首をかしげているファンも少なからずいるようだ。
「球界では複数年契約は、期間内の成績にかかわらず身分が保証されるという選手にとってメリットが大きい待遇ですが、中には甘えが生じてしまうとして、単年契約で一年一年勝負したいというストイックな考えを持っている選手もいます。今回の野間も残留表明時の口ぶりを見る限りでは、同様の考えであえて単年を選択したものと考えられます。ただ、野間はこれまでに『他球団の評価を聞いてみたい』といった言葉を口にしたとは特に伝えられていませんが、実は権利行使・移籍願望を持っており、来オフにもっと高く自分を売るために戦略的に単年契約を選んだという可能性も決してゼロではないのでは」(野球ライター)
21日の報道では「新井監督の方に連絡した際に、やっぱり足の部分をやってほしいと言われている。これからファンも少しでも喜んでいただけるように、チームのためにやっていきたい」と、打撃だけでなく走塁でも新井新政権を牽引したいと意欲を見せたという野間。来季のシーズン成績次第では、2年連続で去就に注目が集まるという展開もありそうだ。
文 / 柴田雅人