1989年(平成元年)3月、茨城県のとある村の郵便局に怪しい男が侵入し、ダイナマイトを片手に現金300万円を要求するという事件があった。
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犯人の男性は、ダイナマイトに点火用の100円ライターしか持っておらず、しかも唯一の武器であるダイナマイトは単一電池をビニールで簡単に巻いただけの偽物。すぐに警察に逮捕されてしまった。
しかも犯人はまだ14歳の少年で、地元の中学校の卒業を数日後に控えている、という状態であった。
何故、14歳の少年が強盗を働く必要があったのか。それは彼の「コンプレックス」が原因であった。
少年は中学校に入学する前後から、人前に出ると顔が赤くなる症状に悩まされていたという。生来のあがり症ゆえなのか別の病気が原因なのかは分からないが、身体が成長しても赤ら顔の症状はひどくなる一方であった。
赤ら顔が原因かは分からないが、少年は私立高校、陸上自衛隊の受験に続けて失敗。春からは地元の石材店で働くことに決めていたが「入社する前に症状を改善させたい」と考えた少年は水戸市内にある病院に相談した。病院の検査の結果、少年は顔の毛細血管の異常で顔が赤くなっていることが分かった。
この病気は簡単には治せないらしく、定期的に通う必要があるという。
中学校を出て春から新入社員になる少年には、病院に定期的に通う大金は用意できず、さらに悩んでしまったというわけだ。
やがてノイローゼになった少年は金を手に入れるため銀行強盗をすることを思いつき、準備を進めていた。
だが、強盗を決意してもしょせんは中学生の浅知恵。結果的に銀行よりも警備が手薄な郵便局をターゲットにしたり、電池を改造したダイナマイトや100円ライターを凶器にしたりと、詰めの甘さもあった。本事件はけが人も出ず早期解決となった。