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タイムトラベルは本当に可能なのか?理論物理学者の見解より

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 ここ数年、SNSの世界で「タイムトラベラー」を自称する人物が現れては、予言めいた書き込みや動画を残して去っていく、という報告が多い。特にここ2、3年ではTikTokに自称タイムトラベラーが相次いで登場し、短い予言動画を公開して注目されることが多い。こういった自称タイムトラベラーは海外の人に多いが、少ないながらも日本人の事例もあるとか。

 ネットの世界ではタイムトラベラーを自称する人物が存在するが、実際に時間旅行は可能なのだろうか。カールトン大学名誉教授であり理論物理学者のピーター・ワトソン教授が、タイムトラベルの可能性について独自の見解を示して話題になっている。

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 ワトソン教授の主張はこうだ。
 時間旅行の概念についてはかなり昔から考えられており、今から2500年以上前にソフォクレスによって書かれたギリシャ悲劇『オイディプス王』が最初のタイムトラベルの物語だといえる。だが、実際に時間旅行が可能かというと、単純に考えて「不可能」だ。時間旅行は熱力学の第二法則や相対性理論などの物理法則によって禁止されていると主張することもできるし、技術的な課題もある。可能かもしれないが、実現には膨大なエネルギーが必要になる。

 また、タイムトラベルは、エントロピーやランダム性が常に増大するという熱力学の第二法則にも反している。時間は一方向にしか進まないので、「過去に行く」ということは現在(高エントロピー状態)からより低エントロピーであるはずの過去に行くということだ。この議論は、イギリスの宇宙論者アーサー・エディントン氏に端を発するものであるが、不完全なものでしかない。過去へのタイムトラベルはできなくなるが、未来へのタイムトラベルはできなくなってしまう。

 また、有名なタイムパラドックスの問題を解決・克服するのも重要だ。最もよく知られているのは「祖父のパラドックス」だろう。仮にタイムマシンを使って過去に行き、父親が受胎する前に祖父を殺害すると、自分の出生の可能性がなくなってしまい、祖父を殺害できなくなってしまうというもの。論理的には連続した時間軸において「存在すること」と「存在しないこと」の両立は有り得ないのだ。

 理論上はタイムマシンを設計することも可能だが、原理的に成功している仮説のほとんどは負のエネルギーや負の質量を必要とする、それは我々の宇宙では今のところ存在しないものに頼っている。数理物理学者のフランク・ティプラーは、負の質量を伴わないタイムマシンを概念化したが、宇宙空間に存在する以上のエネルギーを必要としている。

 理論物理学者のスティーブン・ホーキングは、タイムトラベルを禁じる、まだ知られていない物理原理「時空保護仮説」が存在するはずだと提案している。ホーキング博士のコンセプトは、「ブラックホールから情報を得ることはできないので、その内部で何が起こっているのか知ることはできない」という考え方に端を発している。他にも別の研究者が、時間と空間が何か別のものから出現する、より根本的な理論を研究している。これは量子重力と呼ばれているが、残念ながらまだ存在は確認されていない。

 ワトソン教授はこのように主張した。

 結局、タイムトラベルは可能なのだろうか。ワトソン教授は「おそらく不可能でしょうが、確かなことは分かりません」と述べている。もしかしたら今後、我々の知らない新たな物理法則や原理が見つかり、タイムトラベルを実証する事ができる日が来るのかもしれないが、それはもう少し先の話になりそうだ。

山口敏太郎
作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。
YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中

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Time travel - could it really be possible (unexplained-mysteries.com)より
https://www.unexplained-mysteries.com/news/358372/time-travel--could-it-really-be-possible

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