不良少女そのものは昭和時代の初期から存在し問題視されていたが、1975~85年の昭和50年代はそれだけ「荒れる女子学生」が社会問題化していたということだろう。
今回紹介する未成年犯罪は、『スケバン刑事』が大ブームになっていた昭和60(1985)年に発生した。
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9月某日の昼過ぎ、徳島県内のとある中学校で木刀を持った女子中学生計13人がまとめて補導される事件があった。
女子中学生13人は木刀を握りしめ、別の中学校に殴り込みに行く途中であったという。
補導された女子中学生グループのひとりの話によると、彼女の自宅に男の声で「なめてるんか。決着をつけたるから明日に昼に来い」といった電話があり、仲間を集めて指定の中学校に木刀を持って出かけたという。
彼女らは「凶器準備集合罪」の疑いで補導された。
これは複数の人間が他人の生命や財産を脅かした際に適用される罪だが、通常は暴力団などにしか使われず、未成年、しかも女子中学生に適用されるのは史上初のことだった。学校関係者も「暴力団扱いはいかがなものか」「教育的な配慮があっても良かったのではないか」と警察の判断に抗議していたという。
80年代は少年犯罪が「戦後第3のピーク」と呼ばれており、社会問題のひとつに数えられていた。
この「不良女子中学生が暴力団扱いされた」案件は、当時教育界で大きな波紋を呼んだという。