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ウクライナ「目撃証言がほとんどない」取材中ジャーナリスト、ロシアの主張否定できない事情明かす

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画像はイメージです

 6月7日放送の『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送)に、ウクライナで取材を続けるジャーナリストの村山祐介氏がゲスト出演した。

 村山氏は、ウクライナ南東部の都市、ザポリージャからリモートで出演。ザポリージャは東と南をロシア軍が占領しており、最前線の戦場と言えるその場所からは約40キロに位置する。さらに街の中心部から約50キロの場所には、欧州で最大の原子力発電所であり、ロシア軍の占拠が報じられたザポリージャ原発もある。村山氏は、主に戦地から逃れてくる市民を取材しているため、同地に滞在しているようだ。

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 村山氏はウクライナ各地を訪れており、被害が大きなところでは水不足が深刻になっており、「マリウポリはこれからコレラが蔓延するんじゃないかという不安」があると解説。これから夏を迎えるにあたり、水不足や衛生状態が懸念されるようだ。

 また村山氏は、多数の死者を出したキーウ近郊のブチャも訪れた。その様子は凄惨なものであり、村山氏は時折、言葉に詰まりながら「路上にあった遺体は何体も見た。丸焦げになった遺体、燃えた車の中の運転席の中にあったりとか、森の路上に横たわる遺体はお腹のあたりが裂かれていて内臓が飛び出ていて、首が1.5メートルくらい離れたところに落ちている」と報告した。さらに亡くなっているのは兵士ではなく、ほとんどが民間人であるという。

 大竹まことから「ロシア側は、ロシア軍は民間人は攻撃していないと主張しているみたいですけれども、それに対して思うところは?」と問われた村山氏は「マンション、スーパー、学校、病院とかそういったところは壊滅的。民間施設を狙っていないし、それに伴った民間の死者は出ていない(主張は)全くあり得ない状況」ときっぱりと否定した。

 ただ、村山氏は「これから大変な作業になるんだろうなと思うのが、目撃証言が思ったほどない」と指摘。「沢山の遺体は見ているんだけど、殺した瞬間を見ていると語っている人はいなくて、私は一人しか会っていませんし、それ以外の証言も多くない」と説明。

 村山氏は「殺害した状況を見た人は殺されている可能性が高くてですね。それ以外の人たちはロシア軍の支配下に身を潜めるように、家の中に閉じこもっていたんですね。ネットも通じない電気も通じない、街全体がある意味密室化しているところで起きている」とし、ロシア兵がウクライナの民間人を虐殺した決定的な証拠が少ないと語った。村山氏は監視カメラの映像や、細かい証言の積み重ねで「誰がどこでどうたって殺したかっていうことの立証につながっていくんだろうなと思います」と今後の見通しを語っていた。

 これには、ネット上で「言葉だけなのに、とてもリアルな状況が伝わるレポートでした」「村山さんのウクライナの今の話ただただ重く聞いてしまった」といった声が聞かれた。

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