強い批判を浴びたのが、玉川氏の「ウクライナ降伏論」だ。玉川氏は3月4日の放送で、ロシアからの侵攻を受けたウクライナについて、「戦力的にはロシアが上」とした上で、「どこかでウクライナが引く以外には、桁違いに死者が増える」と指摘。そして、「死者が増えないようにするのは指導者の大きな責任」として、「引くこと考えないと」と呼びかけた。
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この論調には、出演していた東京大学先端科学技術研究センター専任講師の小泉悠氏が「ウクライナはなんの非もないのにロシア側から侵攻された。早く降伏するべきだというのは道義的に問題がある」と嫌悪感を示す。また、視聴者からも「暴力的略奪を肯定している」「降伏すれば虐殺が待っている」などと反論が相次いだ。
玉川氏と同様の主張をしたのが、元大阪府知事、元大阪市長の橋下徹氏。『モーニングショー』の裏番組である『めざまし8』(フジテレビ系)で、ウクライナ側の降伏を呼びかけている。この2人がウクライナの降伏に言及したことについては、賛同者はごく少数で、SNSやメディアなどで批判が展開された。
ウクライナ降伏論が批判された玉川氏は、同15日の放送で、ロシアとウクライナが停戦交渉を行った際、「仮に停戦が成ったとしても、ウクライナ側にとっていいものになるとはとても思えない。もうちょっと、どうしたらいいか分かりません」とコメントした。この発言は「降伏してもウクライナ側にとっていいものにはならない」とも取れるだけに、ネット上では「批判を受けて持論を曲げた」「意見が変化している」と批判されている。
玉川氏の姿勢には「安全なところから評論している」という批判も。4月12日の放送では、司会の羽鳥慎一アナウンサーがロシア軍が化学兵器を使った可能性を報じると、「情報戦が行われているので、確認するまでは使った前提で話を進めるのは危険」とコメントした。
この発言には同調も多かったが、「確認するうちに戦争は終わる」「安全な位置にいる人間の発言。被害者の主張を信じるしかないのではないか」という批判も上がっていた。