「ルーキーイヤーだった昨季も、佐藤のバット投げが指摘されていました。でも、悪意のないものでしたし、大目に見てやろうと」(在阪メディア)
>>阪神・佐藤、三振直後の映像に「何だ今の態度」批判の声 バットを投げ捨てベンチへ、長引く不振にイライラ?<<
6月1日の埼玉西武戦、1点差を守りきって、阪神が勝利した。
スコアは5対4、驚いたのは、今季、阪神打線が甲子園球場で「5点」を挙げたのは、これが初めてだということ。23試合目で、ようやく打線が爆発したのだ。
チーム関係者の一人がこう続ける。
「今季13度目の完封負けを喫した5月31日時点で、矢野燿大監督を始め、何人かのコーチが打線改造を口にしていました」
1番の近本光司を3番に入れ、大山悠輔を5番に下げた。島田海吏に1番を任せるなどの抜てきも見られたが、4番の佐藤だけは動かさなかった。
「佐藤の4番だけは動かさないと決めていたようです」(前出・同)
その佐藤の「バット投げ」がクローズアップされたのは、5月26日の楽天戦だった。
敗戦ゲームの最後のバッターとなったのだが、佐藤は空振り三振した勢いでそのままバットを手から離した。バットは自軍の一塁側ベンチまで転がって行った。
自軍側のベンチでなければ、大騒動になっていたはずだ。
「わざとやったのではないと思います。昨季、バット投げを大目に見てもらえたのは、ホームランを打った時にやっていたからです。打球の行方を確かめ、一塁に向かう前にポンと捨てて」(前出・在阪メディア)
今季、空振りして、そのまま手から離れる“バット投げ”は、この楽天戦だけではない。勢い余って手から離れたのではなく、「空振りし、途中から投げやりになって手を離したのではないか?」との疑念も抱かれている。
「4番の重圧でしょう。阪神打線があまりにも打てないので、チームの敗戦を含め、その責任を感じ、精神的にも参っているのでは」
そんな風にかばう声も多く聞かれた。
もっとも、阪神の敗戦ゲームは何度も見せられてきたが、スタンドからの佐藤批判は一度も聞いたことはない。「4番の重圧によるイライラ説」が本当だとしたら、チームの勝利を最優先に考える佐藤のマジメさから生じたものだろう。
試合後、矢野監督は3安打を放った島田、6回途中3失点ながら勝利投手となった西純矢を称賛していたが、佐藤の名前は出なかった。佐藤は第2打席で2点目を挙げるレフト前ヒットを放っているのだが…。
「対戦チームのピッチャーは、佐藤を(四球で)歩かせても構わないという攻め方です。大山もいますが、今の阪神打線で一発を警戒しなければならないのは、佐藤だけ。佐藤に対戦チームのマークが集中しています」(前出・同)
佐藤の本塁打数は、チームトップの12本(同時点)。「佐藤が打っても勝てない」の悪循環が終われば、バット投げへの印象も変わっていくはずだ。(スポーツライター・飯山満)