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巨人・原監督、ドラ1・大勢のリリーフ転換に踏み切れない? 150キロ超連発も球団の“伝統”が足かせか

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原辰徳監督

 言い出したのは、原辰徳監督の方だ。ドラフト1位ルーキー・大勢(本名=翁田大勢)の「起用法」が変更されそうだ。先発ではなく、やはり、リリーフ要員ということになりそうだ。

 「巨人はドラフト1位投手、特に即戦力だと評価して指名したピッチャーを、1年目からリリーフで起用したことはなかったはず」(ベテラン記者)

 歴代の1位投手で、リリーバーとして活躍した投手がいないわけではない。橋本清、河原純一、澤村拓一らがそうだ。しかし、彼らがリリーバーで起用されたのは、チーム事情や自身の成績不振が影響していた。

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 3月6日のオープン戦(対日本ハム)、大勢は3番手として7回裏のマウンドに上がった。3者凡退に斬ってみせたが、同日投じた12球のうち8球は、ストレート。しかも、うち7球は155キロを超え、

 「最速158キロ? 少し悪いところもあったけど、それで出たのなら…」

 と、試合後も余裕のコメント。対戦した日本ハム側に聞いてみると、大勢の投じたスライダーを指して、「真っ直ぐだと思った」という。スライダーも155キロ強の球速を弾き出していたのだ。

 「真っ直ぐが速いだけでなく、重い。横手投げに近い投げ方なので、スライダーの曲がり幅も大きかった」(日本ハム関係者)

 前回登板の3月3日(西武戦)のデータも調べたが、球速は全て150キロを超えていた。

 この“無双のリリーバーぶり”に、原監督が「先発よりも」と言い出すのも当然だろう。

 「ドラフト指名された直後、大勢本人は『リリーフで』と言い、先発で起用したいと巨人側が伝えたんです。大学時代は四球も多く、各球団のスカウトも大きく分かれました」(前出・ベテラン記者)

 大勢というピッチャーは「1イニングで」と、先に投げるイニング数を伝えられると、実力を発揮できるタイプのようだ。1イニングなら、全力投球。出し惜しみをしない。「できるだけ長く」という、ゴール地点が曖昧な先発起用よりも、性格的にもリリーフ向きなのかもしれない。

 また、3日の登板後だが、原監督は「先発で」と語っていたそうだ。6日のピッチングを見て考え直したのだろう。

 「他にも先発候補がいるのだから、大勢はリリーフで良いと思います。原監督は救援投手を矢継ぎ早に投入する采配も見せるので、リリーバーは何人いても困らないはず」(前出・同)

 巨人は否定するかもしれないが、1位指名選手の「格」を大切にしてきた雰囲気もある。指名直後の球団コメントを振り返ると、特に投手に関しては「将来のエース候補」といった“敬意”も見せてきた。リリーバーを蔑んではいるわけではないが、「伝統球団の1位指名選手に相応しいデビューを」とも考えてきたようだ。

 「巨人のリリーバーは長く活躍できないと言われています。大観衆の中、常に1点を争う場面での登板が続くからです」(プロ野球解説者)

 仮に大勢をリリーフで起用していくとなれば、「イニングの途中から」など緊迫した場面での登板も避けられないだろう。

 新しい1位投手像も生まれるかもしれない。原監督も悩ませる豪腕ルーキーは、どんな“初舞台”を踏むのだろうか。(スポーツライター・飯山満)

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