最初のヒロイン・安子(上白石萌音)は、ラジオの英語講座に影響を受けた和菓子店の娘。それが縁で結婚するも、夫は戦死。夫の弟に求婚されるも踏み切れず、娘・るいからの誤解から生じた拒絶に耐えられず、アメリカ軍人と結婚して渡米してしまう。
>>『カムカムエヴリバディ』、上白石編「可哀想」の声 深津編との対比が話題、名場面に感動の声も<<
るい(深津絵里)は「母に捨てられた」という想いを抱えて青春時代を過ごし、祖父が亡くなったのをきっかけに生まれた家を捨て、大阪へ。そこで出会ったトランぺッターの錠一郎(オダギリジョー)と恋に落ち、トランペットが吹けなくなった錠一郎を支えつつ、今度は京都へ。回転焼き店を開き、ひなたが生まれたというストーリーになっている。
朝ドラとして初めて、祖母から孫にかけての100年が描かれているこの作品。ここまで作品を見守ってきた視聴者から最も評判が高かったのは、るい編だという。
「実は、安子編の終盤は、戦争で夫も実家の家族も失くした安子が、婚家に頼らず自立しようとするも、失敗。さらに、和菓子店を共に再建しようとしていた兄が資金を持ち逃げするという裏切りに遭った上に、るいに拒絶されるというかなりの鬱エンドでした。そのため、るい編は初めから暗く、一時期はネット上からは『ジメジメしてる』『見てられない』という声が集まっていました」(ドラマライター)
しかし、舞台が大阪ということもあり、るいの周囲の人間はみんな明るく、るいの心は自然に解きほぐされていくことに。さらに、好きな男性と結婚して一緒に子どもを育て、あんこを使ったお菓子の店を立ち上げて経営、家族だけで笑って過ごすという、安子が望んでできなかったことをるいがやってのけるという展開になりました。
「戦争によって次第に不幸になっていった安子編と対比するように、るい編では緩やかに幸せになっていくストーリーになっていました。ネット上からは『これは再生の物語』『対比に泣けた』『世代またぐからこそ描ける物語』という声が集まっていました。一方、ひなた編では幸せな時代、幸せな家庭に育ったひなたが自分の将来に悩むというストーリー。安子編、るい編と比べると重さはない分、見ごたえも少なくなっており、いまだるい編への支持は大きいままです」(同)
安子の再登場にも期待したい。