>>広島・鈴木のメジャー移籍、オファー殺到も交渉は難航? 夫人の意向も移籍先を左右か<<
「12月16日に再開されていたようです。スポーツ専門局ESPN(電子版)が一報を出したものの、収益分配など、最優先課題であるはずのお金に関する項目は、来年に持ち越しになるそうです。来年2月上旬にまとまると見る向きもありますが」(米国人ライター)
機構と選手会で合致しているのは、「来年春のキャンプイン、開幕戦を遅らせることのないように」ということだけ。「合意は2月上旬」との予想の根拠もそこから出たものだそうだ。米メディアの一部は、「2月15日のバッテリー組のキャンプインに間に合わないかも」と悲観的な見方もしていた。
メジャー各球団との交渉を途中でストップさせられた鈴木が心配だ。
「米球界挑戦を来年に持ち越す可能性もゼロではなくなってきました」
そう懸念するNPB関係者も出始めた。同時にこんな声も聞かれた。
「鈴木の決心は固いです。22年挑戦の方向性は変わらないでしょう。でも、ポスティングシステムで許された交渉期限ギリギリの30日間を全て費やして、どの球団に行くのか、最終的な判断を下すのでは」(プロ野球解説者)
「時間を掛け、ギリギリまで交渉する」との声は少なくない。米球団の業務は新・労使協定が合意するまで再開されないという。そうなると、ギリギリまで交渉する鈴木の契約は2月中旬以降となる。
「米球団と契約しないと就労ビザは取れません。チーム合流はさらに遅れます」(前出・同)
鈴木は十分な調整ができないまま、メジャーリーグでの開幕戦を迎えることになる。
「鈴木の契約は、4年総額4800万ドル(約55億円)なんて予想もされています。当然、主要戦力として見ており、獲得の名乗りを上げた全ての米球団は、万全の準備をさせてあげたいとも思っているはずです。マイナーリーグで実戦調整させ、その後でメジャー昇格という流れになるのでは。メジャーデビューは4月中旬かも」(前出・米国人ライター)
マイナーリーグからのスタート。新・労使協定の合意が遅れれば、その可能性は十分にある。メジャーで開幕を迎えられないのは残念だが、調整不足で不本意なデビューとなるよりはマシか…。
「機構と選手会の年内の話し合いは『ない』と見られています。米国ではクリスマス休暇をしっかり取るので」(前出・同)
広島カープに詳しい関係者によれば、今オフの鈴木はかなりバットを振り込んでいるという。新・労使協定の話し合いによる遅延は覚悟していたようだが、“マイナー経由”までは想定していなかったはず。そうならないためにも、渡米前に実戦レベルまで調整しなければならないだろう。(スポーツライター・飯山満)