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ヤクルト・高橋、日シリ登板でメンタルが激変? 完封直前の異例表情は大ブレークの予兆か

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画像はイメージです

 まさに度肝を抜かれるほどの、大仕事と言って良いだろう。

 11月21日の日本シリーズ第2戦、東京ヤクルトスワローズの高橋奎二がオリックスバファローズを相手に、2-0で完封勝利を挙げた。オリックス打線を5安打に抑え、クライマックスシリーズ(CS)対巨人戦に続いての価値ある白星となった。

 また、この左腕の功績は、チームに今シリーズ初白星をもたらしただけではない。前日の初戦、3対1と盤石の展開の中、9回にマウンドに登ったマクガフが一つのアウトも取れずに3失点、まさかの逆転サヨナラ負けという悪夢を払拭するとともに、そのマクガフを始め、リリーフ陣に休息を与える結果にも繋がっている。

 「(初戦の敗戦を受け)やり返すという気持ちでマウンドに立った。抑えられて良かった」と試合後の感想を述べている。まさにシリーズの流れを引き寄せるに、これ以上ない程のピッチングを披露した。

 さらに、シリーズ初登板初完封は史上13人目の記録であり、加えて日本シリーズにおいて実に14試合振りとなるセ・リーグ球団の勝利(2018年広島対ソフトバンク第2戦以来)でもある。何より、シーズンを通しても完投数が激減したと言われる昨今のプロ野球、やはり重要な場面で先発投手が試合を投げ抜く姿は、感慨深いものがある。

 高橋は今シーズン、8月以降から先発ローテに定着するも、優勝争いが熾烈を極めた終盤では思うような結果が残せなかった印象だ。それでも、ポストシーズンではCSファイナルステージで巨人の菅野智之に投げ勝つなど、舞台が大きくなるにつれ力を発揮。エース奥川恭伸に次ぐ存在にまで急成長し、日本シリーズのマウンドでも飛躍を遂げた。

 第2戦の8回を投げ終えた後、ベンチでは伊藤智仁コーチが高橋に歩み寄り、何か言葉を交わしながら人差し指を立てる仕草を見せ、それに対し高橋はうなずきながら笑顔で応じている。最終回の「あと一回」を任せられたやり取りだったことは容易に想像できる。だが、日本シリーズの極限の場面としては似つかわしくない程、リラックスした表情であり、その後も見事に、託された最後の一回を3人で締めくくっている。

 大舞台での過去最高のパフォーマンスは、まさに今シリーズでも主役級の働きと言っても過言では無いだろう。プロ6年目、若き左腕は、今後もスワローズの躍進を支える大きな存在となっていくはずだ。(佐藤文孝)

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