これによりベイスターズはチーム史上初の屋根付き球場での12連戦となり、結果は5勝5敗2引き分けの勝率5割でフィニッシュ。現在最下位に沈んでいるベイスターズにとって、タイガースには6戦して2勝4敗と2つ負け越したが、ジャイアンツには2勝1引き分け、スワローズには1勝1敗1引き分けと健闘。後半戦ロケットスタートとは言えないものの、Aクラスの3チーム相手に互角の戦いを見せた。
健闘の要因のひとつは、前半戦低迷の原因となっていた先発陣の立て直しに成功したことだろう。特に前半戦チャンスをもらいながらも結果を出せなかった京山将弥は、20日のジャイアンツ戦で5回を1失点も自責点は0。27日のスワローズ戦では7回被安打2、奪三振7無四球と“京山史上最高”と思える内容の無失点ピッチングを披露。150キロを超えるフォーシームと、140キロ中盤のカットボールが低めにビシビシ決まる本格派の投球は、右のエースを狙える逸材ということを再確認させられた。
新外国人フェルナンド・ロメロもツーシーム頼りのピッチングから脱却し、打たせて取るピッチングで2試合続けてゲームメイクすることに成功。大貫晋一は2ケタ勝利をあげた昨年のピッチングを取り戻し、2年目左腕の坂本裕哉も、自分のピッチングができれば十分通用するポテンシャルがあることを証明してみせた。
濱口遥大はやや精彩を欠き、今永昇太はちょっとしたボタンの掛け違いで勝ち星には結びついていないが、さすがの内容で投打に存在感を見せつけている。川村丈夫ピッチングコーチも「かなりプラスかなと思いますね。ローテも崩れないですし、気温はすごく大きなポイントです。先発投手が好投してるのもその要因はかなりあると思います」と“ドーム効果”を口にしていたが、真夏の一番きつい時期を空調の効いた球場で過ごせたことは、今後横浜に戻った際もプラスに働いてくれそうだ。
31日からは待ちに待った本拠地・横浜スタジアムでの戦いが始まる。立ち直った先発陣を武器に、破壊力抜群の打線がしっかりと機能すれば、まだまだセ・リーグに波乱を起こす存在になれるはずだ。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘