アメリカ代表に選ばれ「ベリーベリーエキサイティング!!光栄で、とてもとても興奮してワクワクしている。高校の頃から(アメリカ代表に)夢を描いていた。家族も喜んでくれた」と満面の笑みでコメントを残していたが、意気込み通りの活躍でアメリカ打線を引っ張っている。
初戦のイスラエル戦では、2ランホームランをバックスクリーン右にたたき込むなど3安打&3打点の活躍。次戦では手強い韓国相手に貴重なダメ押しタイムリーを放ち、勝利に貢献した。2日には日本との戦いで、初回いきなりメジャーリーグ・ヤンキースでチームメイトだった田中将大から左中間へ抜ける2ベース、5回には今シーズンはノーヒット、2年間の通算でも1本しかヒットを放っていない青柳晃洋から、コンパクトなスイングでセンター前に運ぶヒットをマークした。
続くドミニカ共和国戦では2番に入り、初回から冷静にフォアボールを選び出塁すると、次の打者のホームランで先制のホームを踏み、5回にはソロホームランで貴重な加点。準決勝へコマを進める働きを見せた。
ここまですべての試合でスタメン出場し、17打数7安打、打率.412はチームトップ、打点5はチーム2位と堂々の成績を残している。日頃から「チームのために全力でプレーして勝利に貢献する」との姿勢はアメリカ代表でも不変のようで、全力疾走は欠かさず、ベース上で大きなアクションで手をたたきチームを鼓舞する姿も印象的だ。
4日に日本が韓国に勝利し、次戦の相手は韓国に決まった。ここに勝てば「勝ち続けて金メダルを取るのが目標」と戦前に語っていたオースティンのもくろみに近付き、さらに決勝で「チャンスが来たら、楽しい戦いになる」と舌なめずりしていたチームメイトの山崎康晃との対戦も夢ではなくなる。
アメリカが勝ち上がれば、ベイスターズファンには頼もしい味方のオースティンが一転、手強い敵になってしまう。しかしそれも国際試合の醍醐味。日本にもオースティンにも“地元”の横浜スタジアムでのオリンピックは、とても興味深い戦いになる。
写真・取材・文 / 萩原孝弘