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DaiGoが炎上で注目の「メンタリスト」、勘違いしている人が多い? 職業としての特徴は

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 メンタリストのDaiGoが、YouTube配信でホームレスの人や生活保護受給者に対する差別的な発言をして炎上したことが話題になっている。

 DaiGoは7日に差別発言を含む動画を配信して以降、13日に謝罪と反論を含む動画を配信し、翌14日には改めて正装で謝罪動画を配信した。ところが、生活困窮者を支援する4団体から抗議声明が出され、自身の出演CMや広告の起用が自粛される事態になり、いまだに批判の声が絶えない。

 この一連の騒動に対し、ネットでは「メンタリストなのに世間から非難を浴びることが分からなかったの?」「メンタリストのくせに言われた人の気持ちが分からないのか」など、メンタリストの肩書に違和感を訴える声が見られた。そもそも「メンタリスト」とは、いったいどんなことをする人物を言うのだろうか。

 ​>>DaiGo、涙ながらの謝罪も“過去の投稿”が物議 「少しオーバーに泣くこと」効果的な謝罪を説いていた?<<​​​

 「メンタリスト」とは、心理術とトリックを使ったマジックの技術である「メンタリズム」を用いて、まるで相手の心を読んでいるかのようにパフォーマンスする人物を意味するようだ。代表的なパフォーマンスには、相手が頭に思い浮かべた数字を言い当てたり、相手が裏にして並べたカードの内容を言い当てるといったものがある。

 1930年代にアメリカでプロマジシャンとして活躍したセオドール・アンネマンは、近代のメンタリズムの技術の開発や発展に大きく貢献した人物として知られている。アンネマンは透視や予知といった超能力のようなメンタルマジックを得意としていたという。アンネマンが生み出した数多くのメンタリズム・マジックは、現代のメンタリストにも引き継がれているようだ。

 DaiGoも大いに影響を受けたというイギリスのダレン・ブラウンは、「心の魔術師」と呼ばれることもあり、世界最高峰のメンタリストとして名高い。中でも、得意とする催眠術マジックでは、複数人に催眠術をかけて一斉に眠らせるものが有名だ。これは、心理学的な催眠の技術とマジックを掛け合わせたトリックであることが分かっている。

 「一般社団法人日本マインドリーディング協会(JMRA)」を立ち上げた日本メンタリスト界の第一人者であるロミオ・ロドリゲス・ジュニアは、メンタリズムをビジネスに活かす、ビジネス心理術の専門家として書籍の出版や経営のマネジメントなどを手がけている。暗示や交渉術、人を引き付ける話法など、メンタルマジックに用いられるテクニックが、営業や取引、接客サービスといったビジネスシーンにおいて有効に活用できるのだという。

 かつてDaiGoがテレビ出演していた際も、メンタリズムを利用したマジックショーを披露し、メンタリストとして芸能人や視聴者を引き付けていた。また、メンタルマジックで使用する話術のテクニックをビジネスシーンや恋愛に生かす方法を紹介した書籍も多数出版し、大きな反響を得ていた。

 ここで注意しなければならないのは、メンタリストが本当に人の心を思いのままに操作することができ、人の複雑な心理を正確に読み解けるわけではないという点だ。メンタリストはあくまでもマジシャンであり、心理学知識の一端を利用した、タネありきのメンタルマジック・パフォーマンスを披露する人なのである。

 いずれにしても、巧妙なメンタルマジックの技術を操るメンタリストは、多くの人を引き付けるマジシャンであり、素晴らしいパフォーマーであることには違いない。

 いつかまた、日本を代表するメンタリストとして、再びDaiGoの活躍を目にすることはできるだろうか。

文:心理カウンセラー  吉田明日香

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