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ネットの誹謗中傷行為はなぜ歯止めが利かないのか

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 歌手でタレントの堀ちえみのブログに、昨年の10月から今年の5月にかけて合計159回に及ぶ誹謗中傷コメントを繰り返し投稿したとして6月21日、無職の女性が東京都迷惑防止条例違反の疑いで書類送検された。

 このニュースを受け、不登校系YouTuberゆたぼんの父親の中村幸也氏が、同日自身の公式Twitterでこれまでに40人以上の人から謝罪してもらっていたことを明かした。翌22日には、ブロガーで作家のはあちゅうさんも、過去に自身が受けた被害と似ていると自身の公式アカウントでツイート。誹謗中傷行為が徐々にエスカレートしていった経緯についても詳しく語った。

 ​>>「そりゃあ自ら命を断ちますよ」ユーチューバー炎上で反論 心無い誹謗中傷集まり物議に<<​​​

 近年、芸能人を中心に、こうした誹謗中傷被害を受けて法的措置をとったり、書き込んだ相手を特定したりといったケースが増加傾向にあり、度々話題になっている。いずれの場合も誹謗中傷がエスカレートした結果のことだ。ネットの誹謗中傷行為は、なぜこうも歯止めが利かないのだろうか。

 芸能人などに対してネットで誹謗中傷行為をする人の動機には、「生理的に嫌いだから」「ムカついたから」といった短絡的なものから、ストレス解消を目的とするもの、思い込みが激しく主観的で正義感が強いといった人格的な問題によるものなど、さまざまある。

 中でも、主観的な正義感に基づいて誹謗中傷行為に走る人は、相手の間違った考えや行動を指摘して認識させたいという気持ちが強く、そこに使命感や達成感を感じ、自尊心や自己顕示欲を満たそうとする場合もある。

 どの動機も、SNSが手軽に意見を発信できるツールであることや、匿名性が高い状態だと無責任な行動や攻撃性が強くなるという没個性化現象、自分と同じ意見の人がいることで自分の意見が正しいと思い込み極端な結論に至りやすい「集団極性化」など、SNS特有の環境が行為をエスカレートさせる要因にもなっている。

 では、誹謗中傷行為に至らないためには、どのような点に気をつければ良いだろうか。

 まず、自分の書き込みが相手にどんな影響を与えるのか、コメントを投稿する前に、一旦立ち止まって想像するべきだろう。思いのままに発言を投稿するのではなく、自分の書いたコメントを俯瞰的に見て確認し、その言葉を受けた相手がどんな気持ちになるのかを想像し、その行為がいかに自分の価値を下げるかを考えれば、衝動を抑制しやすくなるはずだ。

 また、相手が傷つくことを想像するとなおさら投稿したくなってしまうという人は、その行為によって身元が特定され、訴えられるリスクがあることを常に意識しておいた方がいい。

 いずれにしても、相手へのコメントは一個人の発言として、責任を持つべきである。

文:心理カウンセラー  吉田明日香

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