今回の動画で藤川氏は、NPBとMLBの打者の違いをテーマにトーク。MLB打者の打撃フォームの特色や、MLBで通用すると思う現役のNPB打者について語った。
その中で、藤川氏は今季から8年ぶりにNPB・楽天でプレーしている田中将大について言及。田中は7月14日の前半戦終了時点では「13登板・4勝5敗・防御率2.86」と負け越しているが、藤川氏は「ちょっとデータで気になるところがあって。(それは)田中投手のストレート投球割合」と、田中のストレート比率に少し引っかかる点があることを明かした。
>>侍ジャパン・田中、強化試合勝利後のコメントに驚きの声「自己評価低すぎ」 1安打無失点投球もお立ち台で不満げだったワケは<<
今季のNPBでは先発投手のストレート比率はおおよそ45%というが、田中は28%ほどにとどまっているという藤川氏。「NPBの打者たちは変化球に慣れてるというか、(MLB打者に比べて)タイミングの取り方が大きいので反応できるんですよね」と、変化球に強いNPB打者相手に変化球勝負をしていることが成績に響いているのではと推測した。
さらに、藤川氏は田中の投球が変化球中心となっている理由について「(MLBは)30球団あるので、ほとんど同じチームと対戦しないんですよ」、「だからみんな(打者は)圧倒的にストレートを待ちます、だから(投手は)投球割合は変化球中心になる」ともコメント。打者は対戦機会・データの少なさからストレートを待ち、投手はそれを逆手にとって変化球を多用するMLBに長らく身を置いていた影響なのではと指摘した。
藤川氏の発言を受け、ネット上には「確かに直球よりはスライダーとかスプリットを多めに投げてる印象はある」、「MLBは球団数多いから変化球が多用されがちっていうのは興味深いな」、「じゃあ田中はMLB時代のスタイルからまだ抜け出せてないってことなのか?」といった反応が寄せられている。
一方、「マー君は直球も変化球もそんなに被打率変わらないから、変化球の多用が勝ち星伸び悩んでる理由とは言えなくないか?」、「防御率は2点台だし、変化球攻めが悪いとは一概には言えないのでは」、「変化球云々の前に援護が少な過ぎる方が問題だろ」と否定的なコメントも複数見受けられた。
「今季の田中の投球割合はストレートが約28%、変化球が約72%と全投球の約4分の3が変化球。パ・リーグの先発陣を見ても、ストレートの割合が30%を切っているのは他に4名ほどしかいません。ただ、田中は被打率ではストレートが『.238』、変化球が『.213』とそこまで大きな差は生じておらず、防御率も規定未到達ながら2点台と悪くはありません。そのため、勝ち星が伸び悩んでいる原因は変化球以外の部分にあるのではと考えているファンは少なからずいるようです。また、田中がチームの先発陣でワーストの援護率(2.52)となっていることから、田中が勝てないのは野手陣の責任が大きいとする意見も散見されます」(野球ライター)
今季年俸が球界史上最高額の9億円(推定)であることから、一部では「このままだとただの不良債権」という声も挙がっている田中。来たる後半戦でどのように数字を盛り返していくのかは大きな注目を集めそうだ。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
藤川球児氏の公式ユーチューブチャンネルより
https://www.youtube.com/channel/UCz7tOXB0x7yfESq6WPkA11g