報道によると、19日に取材に応じた矢野燿大監督は、ここまで「7登板・2勝2敗・防御率4.05」といまひとつの先発・アルカンタラを「短いイニングであればもっと思い切っていける」とリリーフに回すと明言。同時に「晋太郎がもう一回先発で調整したり、及川も一回調整させて」と、空いた1枠は現在リリーフの藤浪晋太郎や及川雅貴らに争わせる方針を明かしたという。
藤浪は今季開幕から4月下旬までは先発、それ以降はリリーフを務め「18登板・3勝2敗4ホールド・防御率4.35」と成績はいまひとつだが、先発に限れば「5登板・2勝1敗・防御率2.60」とまずまずの数字を残している。一方、及川はここまでリリーフ一本で起用され、「15登板・2勝1敗2ホールド・防御率1.56」と安定した投球を見せている。
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藤浪・及川のローテ入りの可能性を探るという矢野監督の方針を受け、ネット上には「藤浪は先発ではそこそこの数字だし、五輪中断中に再転向を図るのはいいと思う」、「後半戦までには何試合か実戦もあるけど、そこで藤浪には何とかチャンスを掴んでもらいたい」、「元々は今季の開幕投手なんだから、ローテの軸に戻れるように頑張ってほしい」と、藤浪の先発再転向には納得の声が寄せられている。
ただ、及川の先発入りに対しては「藤浪だけじゃなく及川も先発ってそんな余裕あるのか?」、「ブルペンが振るわない状況で及川に先発させるのは悪手だと思う」、「及川が抜けたらただでさえ脆いリリーフがさらにボロボロになるのでは」といった疑問が噴出している。
「阪神は前半戦終了時点でチーム防御率がリーグ2位(3.32)ですが、内訳を見ると先発防御率が同1位(2.95)の一方で救援防御率は同6位(4.09)に沈んでいます。矢野監督はブルペンのテコ入れのためにアルカンタラをリリーフに回したと思われますが、アルカンタラはここまで1試合もリリーフ起用されておらず、適性があるかどうかは不透明です。そのような状況の中でリリーフとして計算できる及川を安易に先発に回すと、アルカンタラにリリーフ適性がなかった場合ブルペン崩壊が致命的なレベルになるのではと懸念するファンは少なくありません」(野球ライター)
プロ2年目・20歳の及川はこれまで一軍で先発を務めた経験がないため、一部からは「先発転向させるなら来季からの方がいいのでは」との声も挙がっている。矢野監督がこのまま及川を先発に回すのか、それとも一転してリリーフに据え置くのかは今後の注目点といえそうだ。
文 / 柴田雅人