チームメイトのマイク・トラウト外野手が右ふくらはぎの故障で故障者リスト入りした。トラウトはMLBの現役最高選手とも称されるスラッガーだ。エンゼルス打線の得点能力はもちろんだが、「打者・大谷」のバットにも影響を与えていた。
「トラウトが欠場したことで、対戦投手の大谷への配球も変わってきました」(米国人ライター)
“四球攻め”だ。トラウトが4番で出場してきたが、彼が故障者リスト入りするまでの39試合で大谷が選んだ四球は「6」。これに対し、トラウトが途中退場した5月17日(現地時間)以降の19試合で、「17」と跳ね上がっている。
打者・大谷は「2番・DH」で出場しており、4番・トラウトとの間にはパワーヒッターのアンソニー・レンドン内野手もいるが、今季の打撃成績はイマイチで、
「大谷と勝負しない。四球で歩かせれば、後続バッターは怖くない」
と、バットを振らせてもらえない状況が続いているのだ。
四球で歩かされた大谷はそのモヤモヤを払拭するように「盗塁」を記録しているが、レンドンや代わりに4番に入ったジャレッド・ウォルシュのバットから快音が聞かれず、エンゼルスは厳しい状況が続いている。
>>エンゼルス・大谷、強行出場の裏で首脳陣に反発? 負傷後の思わぬ態度に指揮官は急遽計画を変更か<<
ジョー・マドン監督は大谷への四球攻めについて、「しっかりと(投球を)見極めてほしい」と記者団に語っていた。しかし、メジャーリーグでも好打者が四球攻めで打撃不振に陥るケースは珍しくない。「打ちたい」の一心で、ボール球に手を出し、打撃フォームを崩してしまうからだ。
大谷も「打たせてもらえない」となれば、エンゼルスの得点能力がさらにダウンするのは必至。エース級の投手との対戦では得点好機は少なくなる。四球攻めを食らっている大谷のイライラも気になるが…。
そんな大谷の状況について、米メディアはこんな予想も立てているそうだ。
「指名打者制の使えない米交流戦では、先発しても打席に立つリアル二刀流になると思われます」(現地関係者)
それだけではない。現在の2番から3番か4番に打順が変更されるのではないかとも予想されていた。
「レンドン、ウォルシュの状態によっては、『4番・大谷』をマドン監督も検討するでしょう」(前出・同)
リアル二刀流での4番では“マンガの世界”だが、指名打者でバッターに専念できる試合では4番での出場も十分にあり得る。大谷の活躍には日米が熱視線を送っている。だが、エンゼルスはア・リーグ西部地区で下位に低迷している。チームの起爆剤として、「4番投手・大谷」も見てみたいが…。(スポーツライター・飯山満)