ロシアでは2019年に少なくとも2人が「素人による悪魔祓い」で死亡しているという。1人は9歳の少年で、悪魔を追い出そうとした父親に猿ぐつわをかませられ、むちを打たれて死亡。別の事例ではオカルト関連の話題に興味を持った男性が、母親に窒息死させられたという。
これらの事例は数年前から度々報告されていたそうで、2011年にはロシア中部のヴォロネジで26歳の女性が、夫のことを悪魔だと信じ込んだ両親に5ガロンの「聖水」を飲まされて死亡するという事態が発生している。これが死亡まで至っていない傷害事件になるとさらに多くのケースが存在すると考えられているとのこと。
>>絶対に開けてはいけない、悪魔が封じられた箱「ディビュークの箱」<<
ロシアではソ連崩壊後の1990年代からエクソシズムの人気が上がり、素人がエクソシストのまねごとをしたり、悪魔祓いの儀式をしてみようとする人が増えたのだという。また、新型コロナウイルス感染症対策の都市封鎖や外出規制により、家にこもるようになった人たちから悪魔祓いの要請が教会に寄せられるようになった、という声がキリスト教圏の国々から上がっているという。おそらく新型コロナウイルス感染症に対する不安やストレスが影響しているものとみられている。
Times紙の報道によると、ロシア正教会はこれら「素人による悪魔払い」に関して一連の規則を作成。そもそも資格を持つ司祭の助けを借りずに悪魔を追い出そうとしないよう警告しているという。またロシア正教会のトップであるモスクワ総主教キリル1世も「霊的に強い」聖職者のみが悪魔祓いするべきだとの考えを明らかにしているとのことだ。
(山口敏太郎)
参考記事
Church forced to issue strict rules after huge spike in deaths from DIY exorcisms(dailystar)より
https://www.dailystar.co.uk/news/church-forced-issue-strict-rules-23897310?fbclid=IwAR20WDIy0NeTWtM889p43W0NVSt3hY-IE72efo4qjoVa1o6fkKU3kv9FplY