今回番組では元ソフトバンクで現在はBC・栃木でプレーする川崎宗則氏が、宮崎で行われている巨人二軍キャンプを訪問するVTRを放送。その中で登場した阿部二軍監督は、昨年の日本シリーズが打撃力強化を志すきっかけになったと明かした。
昨年の日本シリーズでは、一昨年に続きソフトバンクに4連敗を喫した巨人。投手陣は栗原陵矢(.500・1本・4打点)、柳田悠岐(.429・1本・3打点)、グラシアル(.357・1本・3打点)といった面々に打ち込まれたが、阿部二軍監督が一番印象に残ったのは牧原大成(.250・0本・0打点)が第1戦目で見せた打撃だったという。
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同戦の牧原は「5-0」とソフトバンク5点リードで迎えた9回表無死の場面で、巨人・ビエイラのストレート(152キロ)を捉え右翼線に二塁打を放っている。阿部監督は「体はそんなに大きくない(牧原は身長172センチ・体重72キロ)けど、それ(150キロ超のストレート)を打ち返せるのはすごいなと思った」、「こうでないと(強く振れないと)ソフトバンクの上にはいけないなと感じさせられたシーンだった」と、小柄な体格をものともしないスイングに衝撃を受けたという。
牧原をはじめバットを強く振り切ってくるソフトバンク打線に、日本シリーズでは4戦で26点を奪われた(巨人側は4得点)。阿部二軍監督はシリーズで痛感した打力の差を埋めるため、今春キャンプでは多い時で3000スイング以上に達するほどの練習量を選手に課し、バットを強く振る力・意識を植え付けているという。
また、阿部二軍監督は「『打てる球は全部打て。ボールは見逃すな』って(教えてる)。いい(甘い)球をカチンって打つのは誰でもできる(から)、『ボール球をガンッ!って打て!』っていうのも言ってる」と、ボール球でも打てると思った球はフルスイングで狙いにいくよう指導していることも明かしていた。
今回の放送を受け、ネット上には「牧原がきっかけなのは意外、日シリは柳田とか栗原の方が打ってたのに」、「牧原は絶対的レギュラーじゃなくてスーパーサブだけど、そんな立ち位置の選手でもガンガン振ってくるから驚いたのかな」、「ソフトバンクは今1日1000スイング課してるから、それ以上振り込まないと追いつけないだろうな」、「ボール球まで打たせるのは、とにかくバットを振り切る意識を養うためなんだろうか」といった反応が多数寄せられている。
VTR内に登場したドラ3ルーキー・中山礼都が「厳しい練習が毎日続いてるんですけど、本当に一つずつレベルアップしていると自分でも感じています」と語るなど、選手側も手ごたえを感じていることがうかがえる阿部二軍監督の指導。レギュラーシーズン、そしてポストシーズンで大暴れするような打者を一軍に輩出することができるだろうか。
文 / 柴田雅人