その中でも、民放ゴールデン・プライム帯の連続ドラマで、2020年最も低い視聴率を記録してしまったのが、10月期の木曜ドラマ『ルパンの娘』(フジテレビ系)だ。
「19年7月期に放送された同タイトルの続編で、今作では深田恭子演じる華と瀬戸康史演じる和馬が結婚。一人娘に恵まれながらもなんだかんだ泥棒稼業に奮闘する華の様子が描かれました。“泥棒”がテーマになっているためか、前作以上に名作のパロディ要素が多く取り上げられ、放送のたびにネット掲示板では実況が盛り上がっていました。しかし、一方で全話平均視聴率は5.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)という散々な結果に。視聴者からは『こんなに面白いのに!』『もはや視聴率はあてにならない』という声が聞かれており、2021年には映画化されることも決定しています。とにかくおふざけ要素が多く気楽に笑えるドラマだった分、ファンからの支持も大きいようです」(ドラマライター)
ワースト2となったのは、1月期に放送された向井理主演の『10の秘密』(フジテレビ系)だった。
「向井演じるシングルファザーの主人公が、登場人物たちの秘密に翻弄されていくというストーリー。平均視聴率は6.9%でした。しかし、主人公が翻弄され過ぎたためか、作中では何度も心変わり。主人公の優柔不断さや登場人物の身勝手さも目立ったほか、急にクルーズ船が爆発するといったトンデモ展開も描かれていました。しかし、だからこそドラマファンがツッコミながら見るのにちょうどいいドラマに。気楽に見られるとして視聴者にはある意味人気のドラマでした」(同)
>>冬ドラマ、視聴率ワースト3に期待を集めた作品「主演はまだ早かった」厳しい声も<<
また、ワースト3となったのは、同じく1月期に放送された『アライブがん専門医のカルテ』(フジテレビ系)。
「がんと闘う腫瘍内科を日本で初めてドラマにした本作。全話平均視聴率は7.0%でした。松下奈緒が腫瘍内科医・心を演じ、それを精神的に支える外科医・薫を木村佳乃が演じていました。患者やその家族の葛藤がリアルに描かれ、その内容は『ドキュメンタリー見てるみたいだった』と絶賛されるほど。しかし、『ルパンの娘』と同じ、歴代視聴率が低い枠で放送されたことも手伝い、あまり高い視聴率を記録することはできなかったようです」(同)
奇しくも、フジテレビのドラマ3作がワースト3となった2020年。今年はどんなドラマが放送されるだろうか。