>>引退のヤクルト・五十嵐に「信じられない」内川ら球界人から惜別相次ぐ“速球一筋”23年の歩みに称賛<<
これまでヤクルト(1998-2009,2019-)、メッツ(2010-2011)、ブルージェイズ(2012)、ヤンキース(2012)、ソフトバンク(2013-2018)でプレーしてきた五十嵐は、同戦が23年間のプロ生活を締めくくる引退試合。「0-4」と4点ビハインドの8回表無死で登板すると、中日・シエラを1球で三ゴロに打ち取り有終の美を飾った。
話題となっているのは、試合後の五十嵐の行動。五十嵐は試合後引退セレモニーに臨みファンへ感謝を伝えたが、セレモニー後グラウンドを一周する際に右翼席フェンス際へ。そのまま自力で外野フェンスをよじ登り最上部にまたがると、左手を挙げスタンドのファンの大声援に応えた。
この五十嵐の行動を受け、ネット上には「これ古田や宮本もファンに向けてやってたやつだ」、「先輩たちのパフォーマンスを自分もやるなんて粋だなあ」、「五十嵐は2001年の日本一メンバーだから、フェンスに登る古田やラミレスを見て自分もいつかはって思ってたのかな」、「日本一の時のパフォーマンスがこうやって受け継がれてると思うとグッとくるなあ」といったヤクルトファンからの反応が多数寄せられている。
「今回話題になっている五十嵐のフェンスよじ登りパフォーマンスですが、元々は同球場で行われた2001年日本シリーズ第5戦でチームが近鉄を破り日本一に輝いた際、当時の主力である古田敦也、高津臣吾、ラミレスらがスタンドのファンと喜びを分かち合うために行ったもの。その後も2007年に監督を退任した古田や2013年に現役を引退した宮本慎也など、当時の主力選手が節目を迎えた際にこのパフォーマンスを行っています。日本一に輝いた2001年、当時プロ4年目・22歳の五十嵐はリリーフとしてシリーズに帯同し先輩たちのパフォーマンスを目の前で見ているので、『いつかは自分も』という思いはずっと心の中にあったのかもしれませんね」(野球ライター)
試合後の報道では、今回のパフォーマンスについて五十嵐が「やろうと決めていた。あそこからの景色を見たいなと」と語ったことが伝えられている。黄金時代に生まれたパフォーマンスが脈々と受け継がれていることを感慨深く思ったファンも多かったようだ。
文 / 柴田雅人