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今シーズンは「30登板・1勝0敗3ホールド・防御率4.98」と、黒星こそついていないものの失点が目立っている中継ぎ左腕の能見。報道によると、球団は前日21日に能見に構想外の旨を伝えたといい、本人も広報を通じ「タイガースのユニホームを着て皆さんの前でプレーするのは今季が最後になる」とコメントしたという。
能見は来シーズン以降も現役続行を希望しているとのことだが、戦力外報道を受けてネット上にも驚きの声が多数寄せられた。一方、「でもなんだかんだで移籍先はすぐに見つかりそう」、「まだやれそうだから自分のひいきに来てくれないかな」といった新天地についてのコメントも挙がっている。
今回阪神を退団とする流れとなった能見だが、今シーズンの登板数はチーム3位タイと出場機会を減らしているわけではなく、ストレートも145キロ前後を維持している。来年42歳を迎えることを考えると勝ちパターンは厳しいかもしれないが、ビハインド時の登板や左のワンポイントといった役割なら十分戦力になるという見方は可能だろう。
10月21日終了時点の各球団の救援防御率を見ると、セでは広島(4.86)、ヤクルト(4.56)、パでは楽天(4.19)、日本ハム(4.21)、オリックス(4.21)が防御率4点台オーバーとなっている。戦力としてはもちろん、これまでの経験を他のリリーフに還元するという点を踏まえても、このあたりの球団に獲得のメリットはありそうだ。
中でも、最も能見獲得のメリットが大きそうなのは12球団でワーストの救援防御率となっている広島。現在のブルペン陣を見ると勝ちパターンには塹江敦哉、フランスアといった左腕が名を連ねているが、ビハインド時やワンポイントを担える左腕は不足している。年俸面(9500万円/推定)の兼ね合いはあるが、能見が減額に応じるなら獲得の余地はあるのではないだろうか。また、今シーズンの能見がマツダスタジアムでは防御率「0.00」という点も好材料だ。
以上に挙げた5球団以外にも、今シーズン開幕前に元同僚・鳥谷敬を電撃獲得したロッテや、大江竜聖、田口麗斗といった若手左腕が今ひとつ殻を破りきれていない巨人の獲得を望む声も複数挙がっている能見。今オフのストーブリーグでは、注目の選手の1人になることは間違いなさそうだ。
文 / 柴田雅人