「洋楽の歌詞がなぜか日本語に聞こえる」という「空耳」をテーマにした本企画は放送年数28年。番組を代表するコーナーで「このコーナーだけは必ず見る」という根強いファンも多い。
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さて、「空耳アワー」の名物といえば、司会を担当するソラミミストことイラストレーターの安斎肇の「遅刻」である。
安斎は同番組の収録にたびたび遅刻したほか、本業のイラストでもよく納期遅れがあったという。
タモリも最初の頃はいつまでたっても現場にやってこない安斎のことを笑っていたようだ。だがおよそ9割の確率で遅刻をし、さらに1~2時間の遅刻が当たり前になってくるとさすがのタモリも「そろそろガツンと言ってやらないと」と思ったという。2002年には、コーナーの内容を急きょ変更し、タモリが安斎に公開説教するイレギュラーな回があった。
1時間以上遅れて現場にやってきた安斎を見るや、タモリは「なにやってんの!」と一喝。安斎は「いつものこと」とニヤニヤしていたが、「スタッフも怒ってるよ!」とタモリが指摘した。これに「ヤバい」と思ったのか真顔になり、「徹夜してシャワーを浴びようとしたら水だったためお湯を沸かすのに時間がかかった」とかなり無理のある言いわけをし、タモリを呆れさせていた。
タモリは「今度、遅刻したらお前抜きで空耳やるからな!」と言い「今日の空耳は終わり!」と、なんと1曲も紹介せずにコーナーが終了してまった。
この結果にさすがの安斎も反省したのか、2004、2006年は一度も遅刻することがなかった。だが、その後もたびたび遅刻はしているそうで、1年に1回程度は安斎抜きで収録が行われることがあり、現在に至っているという。
普通の番組ならあり得ない事態だが、このゆるい雰囲気も『タモリ倶楽部』ならではなのだろう。
文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)