今回の動画で江本氏は、自身が思うプロ野球ベストナインを発表しそれぞれの選手についてトーク。捕手に野村さんの名を挙げ、現役時代に取り組んでいたという知られざる練習方法を明かした。
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1972年に南海に入団した際、当時選手兼任監督を務めていた野村さんの手首の強さに驚いたという江本氏。それまで自身がバッテリーを組んだ捕手の中にはボールの勢いに負けミットが流れてしまう選手も少なくなかったというが、野村さんは「絶対にミットが動かなかった」という。
なぜこれほど手首が強いのか気になり、ある時野村さんに直接聞いてみたという。すると、野村さんは「一升瓶に砂を詰めて、寮でいつも振る」というシンプルなやり方で手首を鍛えたと答えたという。
一升瓶はいろいろな角度で振ることができる上先端の部分も、持つのには適しているため、当時は「確かにこれが一番科学的だ」と納得したという江本氏。「何か一つのことをやるためにこうやって努力していた」と、地道な努力を積み重ねることをいとわない選手だったと野村さんを評していた。
江本氏はこの他にも元阪急・米田哲也氏が先発前日に行っていたという独特のルーティンや、「意外とみんな知ってるようで知らないよね」という選手について動画内で語っている。
今回の動画を受け、ネット上には「一升瓶振って鍛えるって発想は凄いな、当時はまともな器具無かったのか」、「今では考えられないやり方だけど、それで成績残してるから一種の正解なのかな」、「そもそもこの時代に道具使って筋トレしてたこと自体が凄い」、「まだ筋トレが一般的じゃなかった時代にこういう取り組みしてたらそりゃ成績残せるわ」といった反応が多数寄せられている。
「現代の球界では投打にかかわらず筋力トレーニングは当たり前のように行われていますが、江本氏が南海に入団した1970年代はまだ一般的ではなかった。日々の練習で素振り、走り込み、投げ込みをこなして体を作る選手がほとんどでした。そのような時代に野村さんが道具を使って筋力トレーニングを行っていた点に驚いているファンは多いようです。なお、野村さんは今回江本氏が語った一升瓶の他にも、鉄アレイやテニスボールを使って筋力強化に励んでいたことを生前に明かしています」(野球ライター)
現役時代は南海(1954-1977/1970-1977は選手兼任監督)、ロッテ(1978)、西武(1979-1980)の3球団でプレーし、「3017試合・.277・657本・1988打点・2901安打」といった数字を残した野村さん。このような活躍ができたのも、時代を先取りした取り組みの賜物といえるのかもしれない。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
高木豊氏の公式ユーチューブチャンネルより
https://www.youtube.com/channel/UCgr5CkgytiVfdnk4C0M42nQ