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巨人・吉村が“4ボール”からホームラン! 球審のミスが招いた悲劇? 相手監督は“無申告”を後悔「人間正直でなきゃいかん」

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達川光男氏

 22日に東京ドームで行われた巨人対広島の一戦。試合は「5-4」で巨人が勝利したが、同戦中にボールカウントを巡り一時試合が中断するハプニングが起こった。

 試合が中断したのは、「0-0」と両チーム無得点の2回表1死。マウンドには巨人先発・菅野智之、打席には広島・松山竜平という場面だったが、松山がカウント「2-2」からの5球目をファールとした直後、球審の本田英志審判がネット裏のスタッフに向かってカウント「2-2」と表示されているスコアボードのランプを「3-2」に訂正するようジェスチャーで伝えた。

 すると、巨人捕手・大城卓三がカウントは「3-2」ではなく「2-2」のままで合っていると本田審判に抗議。これを受けた本田審判が一度ネット裏に下がってカウントを確認したところ「2-2」が正しいカウントで、自身が変更を要請した「3-2」は間違いだったことが判明。これにより試合は約2分半の中断を経てカウント「2-2」のまま再開され、その後菅野はカウント「3-2」からの8球目で松山を遊ゴロに打ち取った。

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 カウントが間違ったままだと7球目で四球となっていたこともあり、ネット上には「抗議してカウント間違いを防いだ大城はファインプレーだな」、「試合の流れに影響しかねないから審判はしっかりしろよ」といった反応が多数寄せられた。一部では「昔吉村がカウント間違いから本塁打打ってたよな」、「吉村みたいに間違えられてラッキーなケースもあるけど普通に抗議が正解だな」といったコメントも見られた。

 一般的にカウントの間違いは、どちらかのチームにとってデメリットとなる。ただ、過去には同様のトラブルに見舞われたものの、逆にラッキーな方向に転じたケースもある。

 1987年10月18日、後楽園球場で行われた巨人対広島の一戦。当時プロ6年目・24歳の吉村禎章は、ここまでキャリアハイとなる29本塁打を放つなど巨人の中軸として活躍。シーズン最終戦となった同戦にも、「5番・右翼」で先発出場した。

 その吉村がハプニングに見舞われたのは、「1-5」と巨人4点ビハインドで迎えた4回裏1死の場面。ここで第2打席を迎えた吉村は広島先発・白武佳久に3球目まででカウント「1-2」と追い込まれるが、続く4球目は見送りカウントは「2-2」に。だが、球場のスコアボードが不調でボール球のランプが1つしか点灯しなかったことから、球審の山本文男審判は1ボール、2ボールどちらが正しいのか疑心暗鬼に。そこで、打席の吉村、そして広島捕手・達川光男にカウントを確認した。

 2ボールが正しいカウントだと分かっていた達川は、カウントを有利にするために1ボールと即答し山本審判をだまそうと試みる。すると、この達川の発言に対して吉村が特に何も言わなかったため、山本審判は「1-2」と間違ったカウントのまま試合を続行。そのまま次の5球目が投じられたことで巨人側のアピール権は消滅し、ボールカウントの訂正を求めることもできなくなった。

 その後、吉村は5球目をファウルした後、6、7球目のボール球を見送り。本来ならカウント「4-2」で四球となるが、山本審判はフルカウントだと思い込み四球を告げず。達川の策略により、吉村は四球を阻まれた形となった。

 ところが、吉村はこの直後に白武が投じた8球目を捉え左翼席への本塁打に。通常ならあり得ないカウント「4-2」からの一発で、シーズン本塁打数を大台の30本に乗せることとなった。

 試合は「2-5」で巨人が敗れたが、試合後の報道で吉村は「おかしいな、と思っていたけど、そのまま打っちゃいました」と疑問を抱きつつ放った本塁打だったとコメント。また、巨人・王貞治監督も疑いを持っていたというが、「間違ってると恥ずかしいからやめた」と自信を持って抗議することはできなかったという。

 一方、王監督と同じく間違いに気づいていたという広島・阿南準郎監督は「人間正直でなきゃいかん」と一言。吉村に本塁打を打たれるまでは「これはもうけた」と考えていたというが、本塁打を打たれ、素直に申告して歩かせた方がマシだったと後悔したという。両チームを振り回したこの間違いに、山本審判は「私のミス以外の何ものでもありません」と反省しきりだったという。

 現役時代に巨人(1982-1998)でプレーし、57歳の現在は巨人で一軍作戦コーチを務めている吉村。大城の抗議で大事に至らなかった今回のカウント間違いを、どのような思いでベンチ内から見つめていたのだろうか。

文 / 柴田雅人

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