問題となっているのは、「4-4」と両チーム同点で迎えた9回裏のプレー。この回から5番手としてマウンドに上がったフランスアは、先頭の石川慎吾にヒットを打たれ無死一塁に。ここで巨人・原辰徳監督は石川を下げ若林晃弘を代走に送ったが、その後フランスアは1死で迎えたパーラの打席で3回、2死で迎えた吉川尚輝の打席で2回若林に牽制するなどかなり二盗を警戒していた。
ところが、吉川にカウント「1-0」とした直後に投じた6回目の牽制が、一塁手・堂林翔太の左横に大きくそれ一塁ファールグラウンドを転がる悪送球に。この間に若林に三塁まで進塁を許したフランスアは、その後吉川にカウント「1-1」からの3球目をサヨナラヒットとされ敗戦投手となった。
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サヨナラ負けを招いたフランスアの牽制ミスを受け、ネット上には「今シーズン盗塁ゼロの若林を執拗に警戒したのは意味不明」、「パーラの場面は1アウトだったから分からなくもないが、吉川の場面は2アウトだったからそこまで牽制する必要はなかった」、「2アウトなんだから吉川との勝負に集中すべきだっただろ」といった反応が多数寄せられている。
同時に、「なんでそこまで若林の足を警戒したのか、先頭打者いきなり出したから動揺したのか?」、「対巨人の相性があんまり良くないことも関係しているんだろうか」と、立て続けに牽制球を投げた理由を推測するコメントも複数見受けられた。
「今シーズンのフランスアは、セ5球団の中で対巨人の防御率が最も悪い(3.60)投手。その苦手の巨人打線相手にいきなり先頭の出塁を許したことで、『傷口が広がらないうちに何とかしなければ』と動揺が生じたのかもしれません。ただ、若林は『11盗塁・盗塁死2』だった昨シーズンから一転し、今シーズンはここまで『盗塁0・盗塁死3』と一度も盗塁を成功させていないため、二盗を許す確率はかなり低かったように思われます。打者を打ち取れば3アウトで攻守交替という状況を含め、若林は気にせず吉川との勝負に集中した方がリスクは少なかったと考えているファンは多いようです」(野球ライター)
試合後、広島・佐々岡真司監督は「警戒するのは当然だけど、1つのミスがこうなってしまう」とフランスアに苦言を呈したことが伝えられている。ただ、このコメントに対しても「そこまで言うなら自分でマウンド行って指示出せよ」、「捕手なりコーチなりに『バッター集中!』と声をかけに行かせるべきだったのでは?」といった反応が複数挙がっている。
文 / 柴田雅人