舞海は岩手県宮古市出身で、小学生の時に2011年3月の東日本大震災を経験。同8月に初代タイガーマスクが中心となって、同市で開催されたチャリティ大会を観戦し、プロレスに興味を抱いた。翌2012年5月にリアルジャパン・プロレスが開催した山口・下関の巌流島での震災チャリティ大会に、母とともに招待され、初代タイガーマスクと親交が生まれ、プロレスラーになることを志願。高校卒業後、東京女子プロレスに入団し、昨年5月3日の東京・後楽園ホールでデビュー。この試合には初代タイガーマスクも激励に駆けつけた経緯がある。
12日に東京・板橋グリーンホールで開催された東京女子プロレス『フォールツアー'20~WOMM~』で、舞海は鈴芽、汐凛セナとトリオを結成し、辰巳、渡辺、猫はるな組と激突。序盤は辰巳とグラウンドで互角の攻防を繰り広げた舞海は、鈴芽と好連係を見せ、パワー全開のファイトを展開。最後は舞海がダブルラリアットで辰巳と渡辺を同時に吹っ飛ばすと、猫を捕らえた鈴芽がフェースクラッシャー、RKOへとつなぎ、3カウントを奪取。
マイクを持った鈴芽は「私は東京女子のリングで輝く今の先輩たちのお姿を見て、あこがれて東京女子に入りました。そしてここで私もプロレスラーになりました。今、私には練習を始めた日やデビューしたタイミングも違うけど、入団してずっと一緒に頑張ってきた大好きで大切な同期がいます。私たちもあの日見ていたリカさんたちみたいに、このリングで輝く存在になりたい。だから私と魅星で組んで、白昼夢さんのそのベルトに挑戦させてください!」とアピール。これに対し、辰巳は「その気持ち、しっかり受け取りました。私たちとベルトを懸けて闘いましょう。9.21品川でやりましょう!」と受諾し、舞海&鈴芽のベルト初挑戦が決定した。
舞海は「チャンスは待っていても寄ってはきません。今日、鈴芽がチャンスを掴みに行ってくれました。自分たち同期で獲りに行きます!」と王座奪取を宣言。昨年11月3日の東京・両国国技館大会で王座を奪取し、現在3回連続防衛中の白昼夢は乗りに乗っているところ。バックステージで、辰巳は「結構、挑戦して来たのをビックリしていて。ただ、いつでも挑戦するのは自由だし、キャリアが若いからとか先輩、後輩とか関係ないので、もう挑んできてくれたことに応えるだけだなと思っています。すぐの品川に決めちゃったんですけど、余裕を持って受けて立とうかなと思ってます」とコメント。渡辺は「後輩とあまり闘ったことがなかったんですけど。魅星とは、この前シングルをしたし、普段から勢いは感じていた。今日(挑戦表明をしに)来たことに驚きもしたけど、防衛戦をしたいなって思いました。あと、若手の同期二人で挑戦しに来る姿が、私が前にマジラビ(マジカルシュガーラビッツ=坂崎ユカ&瑞希)が(タッグ王座を)持っていた時に、(乃蒼)ヒカリちゃんと挑戦したのと重なるなと、自分の中でふと思って。やっぱりその時の気持ちとかを思うと、全力で受け止めて防衛したいなって思いました」と防衛を誓っている。
一方、鈴芽は「まだまだだってみんな思うかもしれないけど、リングで言った通り、私はあこがれた人たちみたいに、もっともっとキラキラして行きたいから、二人で獲りに行きます。敵わないところだらけだと思うけど。プロレスって何が起こるか分からないから面白いって、みんな思っていると思うから。そんなところを私たちが表現していけたらいいなって思います」と述べ、魅星は「試合で見せます。以上です」と言葉少なながらも決意をみなぎらせた。現在、初代タイガーマスクは病気療養中だが、「ベルトを獲れば闘病中の佐山先生にいい報告が出来るんじゃないか?」との問いに、舞海は「はい。挑戦するからには獲ります!」と意気込んだ。
舞海が初代タイガーマスクに吉報を届けられるか注目だ。
◆東京女子プロレス◆
『フォールツアー'20~WOMM~』
2020年9月12日
東京・板橋グリーンホール
▼6人タッグマッチ(20分1本勝負)
辰巳リカ&渡辺未詩&●猫はるな(12分29秒 片エビ固め)舞海魅星&鈴芽○&汐凛セナ
※RKO
(どら増田)