金子に注目が集まったのは、「3-1」と西武2点リードの9回表一死で迎えた第4打席。右打席に入った金子に対し、オリックスの3番手左腕・齋藤綱記はカウント「0-2」からチェンジアップを投じるもワンバウンドに。だが、金子はバウンドした球をすくい上げるようにスイングしバットに当てた。
すると、打球は三塁後方にフラフラと上がり、捕球を試みた三塁手・宗佑磨と遊撃手・安達了一の間にポトリ。落下した打球を宗が捕球する間に、金子は悠々と一塁に到達し記録は左前打となった。
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完全なボール球がヒットになったこのプレーを受け、ネット上には「昔のイチローみたいなヒットだ」、「野球というよりゴルフのようなスイングだな」、「あの球をヒットにされたら投手はお手上げだろうな」、「打った本人もちょっとビックリしてない?」といった反応が多数寄せられている。
同時に、「金子は数年前に逆の打席でもやってなかった?」、「確か左打席でも打ってたはずだから、これで両打席でワンバウンドの球をヒットにしたことになるのか」といったコメントも複数見受けられた。
コメント内で引き合いに出されているイチローは、NPB・オリックス時代の2000年5月13日の対ロッテ戦で、ロッテ先発・後藤利幸が投じたワンバウンドのフォークに体勢を崩しながらバットを合わせ右前打を記録。このプレーはその後何度もメディアで取り上げられたこともあり、現在でもイチローを代表するプレーの1つとして多くのファンに知られている。そのイチローばりのバットコントロールを同戦で披露した金子だが、実は以前にも同じようなプレーをしたことがあるという。
「今回は右打席で鮮やかな打撃を見せた金子ですが、2014年6月29日の対ソフトバンク戦では左打席でワンバウンドの球をヒットにしたことがあります。同戦に『9番・二塁』で先発した当時プロ2年目の金子は、5回裏無死で迎えた第2打席でソフトバンク・東浜巨が投じたワンバウンドのカーブをスイング。打球は三塁ファールライン際を力なく転がるもファールゾーンには切れず、結果的に三塁内野安打となっています」(野球ライター)
同戦の“ワンバン打ち”により、これで4試合連続安打となった金子。現在の打率は「.200」と低迷しているが、徐々に復調に向かっているのかもしれない。
文 / 柴田雅人