巨人・菅野智之が阪神打線を単発3安打に抑える完封勝利を収めた(8月18日)。開幕8連勝は自身初、球団では1990年の斎藤雅樹氏以来の快挙だが、完封勝利は早くも今季3度目となる。
「阪神打線は計3安打。巨人打線は2安打です。岡本の一発で勝利しましたが、原監督は『1対0で勝つのと負けるのとでは大きな差がある』と、いつになく興奮気味に話していました」(スポーツ紙記者)
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菅野の好投で改めてクローズアップされたのが、捕手・大城卓三だ。ここまで菅野は9度の先発マウンドに立っているが、うち8回は大城とバッテリーを組んでいる(残り1回は開幕戦の小林誠司)。正捕手・小林の離脱もあるが、経験豊富な炭谷銀仁朗がいても、菅野が投げる日は大城がマスクをかぶってきた。18日の完封劇もそうだが、結果を出している以上、「菅野-大城」のバッテリーは、しばらく続きそうだ。
「原監督の構想の一つとして、『打てる捕手』の大城をレギュラーに引き上げようとしています。背番号を46番から24番に変更したように、大城に期待しているのも本当です」(前出・同)
大城の台頭で使われるようになったのは、「東海大バッテリー」。今さらだが、菅野、大城は東海大相模、東海大の出身。原監督も歩んだ“学生野球の名門道”だ。大城を抜てきした理由に“特別な事情”もあるように報じるメディアも見られた。しかし、こんな情報も聞かれた。
「東海大時代の菅野は、一学年下の現オリックスの伏見寅威捕手とバッテリーを組むことが多く、大城とは数える程度だったはず。原監督が打撃力の高い大城を育てるため、その教育係を菅野に託しました」(球界関係者)
今春のオープン戦途中から「菅野-大城」のバッテリーが目立ち始めたが、そのころの菅野は大城の要求する球種に対し、「ストライクがほしいのか、ボールカウントでいいのかハッキリさせろ」などと“ダメ出し”もしていたという。
「菅野はエースであり、大城は社会人野球を経由してプロ入りしました。まだプロ3年目ですし、母校の先輩ということで遠慮もあったようです」(前出・同)
菅野はヒーローインタビューで「大城が配球をよく考えてくれた」と褒めていた。しかし、こうしたベンチ裏の話を聞くと、大城は菅野好みの捕手になったとも解釈できる。
「捕手には大きく分けて2通りのパターンがあります。『オレに付いてこい』のタイプと、味方投手の性格に合わせ、投げたいと思っている球種を投げさせ、ノセていくタイプです。菅野と組む時の大城は後者のタイプと言えるでしょう」(プロ野球解説者)
この調子で行けば、投手タイトルもほぼ独占となるだろう。また、若手投手も菅野に助言を仰ぐなどしているそうだ。巨人が「菅野のチーム」と呼ばれる日もそう遠くないだろう。(スポーツライター・飯山満)