問題となっているのは、29日の『グッディ』に電話出演した京都大学大学院医学研究科の上久保靖彦特定教授の発言。その中で上久保氏は「日本人の多くは集団免疫をすでに獲得済み 再自粛は不要である」として、新型コロナウイルスを「S型」「K型」「G型」に分類した上で、昨年11月時点で毒性の弱く、感知できない「S型」が世界中で感染拡大しており、日本では「K型」が今年1月にピークになったと主張。中国・武漢で発生し、欧米に広がった毒性の強い「G型」が国内に入る前に入国制限したため、「K型」を通じて、「G型」への耐性ができたとした。
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上久保氏によると、既に日本人は集団免疫が確立されており、80~90%の人が抗体を持っているとのこと。厚労省が実施した抗体保有調査で東京の抗体保有率が0.1%だったことについては、ウイルス撃退直後は抗体が少なくなっているため、抗体検査では陰性になる可能性があるといい、今後感染が広がることはあっても重症化する人は少ないと力説。「普通の生活をして大丈夫だと思います」と話していたが、視聴者の多くは懐疑的で、「説としてはありえるかもしれないけど、これが本当か分からない」「確実ではないこと言うと街に人が増えそう」「都市伝説聞いてる気分になった」という声が集まっていた。
この説について翌日放送の『とくダネ』で小倉アナは「昨日ね、『グッディ』を見てて驚いたんですが」と上久保氏の一連の発言に触れ、「人間って割合、楽観的な意見に飛びつきたいっていうところがあるじゃないですか。で、最近そういう報道が本当に増えてきて、テレビの視聴率もそういうことおっしゃる先生が登場するとバーッと数字が上がる」と苦言。「これってどっちに自分は考えを寄せていったらいいのか大変難しいですし、危険なことでもあるとも思うんですね」と言い、両番組に出演し、『グッディ』で「現実に新規の患者さんが増えている」「(この説を)信じて体制を取らないというわけにはいきません」と指摘していた昭和大学医学部の二木芳人教授は、「お聞きになる方はご興味のある方で。チャンネルを選んでいただいて構わないと思うんですけど、耳打ちの良い方に寄りがちですよね」としつつ、政治家には悪い想定をした上で対応してもらいたいとした。
小倉アナの発言には「だからって不安を煽るのもどうかと思う」という声もあったが、賛同の声も寄せられていた。
果たして上久保氏の見解に信ぴょう性はあるのだろうか――。