『志村友達』は、今年3月に新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなったタレントの志村けんさんの冠番組で、4月から毎週火曜深夜に放送されている。
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21日はゴールデンタイムでの特別番組で、ザ・ドリフターズのメンバーである加藤茶・仲本工事、高木ブーのほか、志村さんとの共演経験も豊富な研ナオコ、柄本明らが出演し、故人を偲ぶ構成となっていた。
さて、話題となった「ワイプ演出」だが、3時間の番組中、放送されるコントには左右に二つずつのワイプが表示され、スタジオにいる出演者の表情がわかるようになっていた。
もともと『志村友達』は、過去の志村さんのコント映像に、最初から最後までワイプでスタジオ出演者の顔が抜かれるという演出を行っており、今回の特番もその演出を踏襲したものと思われるが、今回の特番は上記に加え、ダチョウ倶楽部の肥後克広、上島竜兵に渡辺直美、千鳥の大悟、アンタッチャブル柴田英嗣、桑野信義など出演者が非常に多く、全員の表情を放送するため、合計4つのワイプを設置した模様だ。
もっとも、この4つのワイプは、ただコントを見づらくしている訳ではなく、志村さんと丁々発止のやり取りを行っていた柄本が、志村さんとの共演を懐かしそうに眼を細める姿や、ドリフ内での志村さんの師匠格であり、最も付き合いの長かった加藤は、志村さんとのコントを笑わずにひたすらにジッと見つめる「コント職人」としての真剣な表情を見せていたほか、桑野や大悟などプライベートでも親交のあった芸人たちは、途中VTRを見て何度も涙ぐみそうになるなど、それぞれ出演者の表情がよくわかる意味では、非常に効果が高かったようで、ネットでは「それぞれの志村さんへの思いが汲み取れて非常に興味深い」「本当に惜しい人を亡くした」「この状況でもみんな泣かないのはやはりプロだなぁ」という声が相次いでいた。
一部では、左右合計4つのワイプは、画面両端が見えなくなってしまうデメリットもあっため、ネットでは「ワイプが気になってコントの内容に集中できない」という声もあったものの、結果的に追悼番組としては、非常に正しい演出になったのではないかと思われる。
『志村友達』のタイトル通り、フジテレビの志村さん追悼番組は、やはり志村さんの「友達」がメインの番組だったようだ。