第53話は、久しぶりに福島の実家に帰ってきた裕一(窪田正孝)を囲んで、幼なじみの史郎(大津尋葵)や喜多一の元従業員らを招き、宴会を行う。皆が楽しく飲んでいるところに、弟の浩二(佐久本宝)が役場の仕事から帰宅。浩二は相変わらず裕一に冷たく、父・三郎(唐沢寿明)がお酒を飲んでいることにもいらだっており――というストーリーが描かれた。
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今話では、裕一と弟・浩二の久々の再会が描かれたが――。
「宴会の終盤頃に帰宅した浩二でしたが、『久しぶり』と笑顔を見せた裕一に対し、『よくヘラヘラと帰って来れたな』『たった1曲売れたくらいで大作曲家気取りかよ』と冷たい言葉を吐き、去っていってしまいました。しかし、何年かかけて裕一が作ったヒット曲と言えば、環(柴咲コウ)のおかげで売れた『船頭可愛いや』のみ。音(二階堂ふみ)らは裕一の才能を無条件に信じていますが、これまで裕一がどのように作曲したり、音楽に向き合ってきているかについては、いまだ分かりやすく描かれていないこともあり、『言いたいこと言ってくれた!』『本当その通り』という称賛が集まりました」(ドラマライター)
一方では、浩二の描かれた方について同情も集まっているという。
「主人公の裕一にとって、弟の浩二は明らかに感じ悪く描かれていますが、なんの目的もなく商業高校に進み留年する兄の代わりに実家を支え、その兄が本家に養子に行くと思いきや、勝手に養子をやめて結婚し、上京してしまうという始末。上京してからは音沙汰もなく、結局実家の呉服店も潰れてしまったため、多くの視聴者から『怒るのは当然だし、悪者にされてる浩二が可哀想すぎる』『仕事に疲れて夜遅く帰ってきたら、勝手な兄が勝手に帰ってきて、宴会してたっていうシチュエーションに出くわしたら、誰でも嫌味言いたくなる』などの同情の声が殺到。悪役のように描かれてしまった弟ですが、主人公の好感度が低い分、弟に対する慰めが集まってしまうという状況になっています」(同)
まるで暴言のように描かれた浩二の厳しい言葉も、視聴者にとっては共感する言葉でしかなかったようだ。