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ヤクルト村上の復活弾で再注目されるベテランの役どころ 4番の負担を軽くできるか

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 若い新4番バッターを育てるのは、経験豊富なベテランだ。年間本塁打記録保持者・バレンティン(現ソフトバンク)の抜けた東京ヤクルトの新打線のポイントゲッターは、主砲よりも3番、5番が予定されている両ベテランスラッガーではないだろうか。

 発熱で戦列を離れていた東京ヤクルトの村上宗隆内野手が「4番・DH」で先発出場し(6月9日)、第1打席でいきなり豪快な3ランアーチを放った。その右翼席中段に突き刺さった大飛球にホームランアーティストとしての素質、魅力を感じたが、今季は試練のシーズンとなりそうだ。
 「バレンティンが退団したことで、対戦投手の村上へのマークも厳しくなります。前後を打つバッターが好調なら、村上の精神的負担も楽になるんですが」(プロ野球解説者)

 開幕4番はもちろんだが、今季、何事もなければ、この村上がシーズンを通じて主砲を務めることになる。データによれば、村上は2000年2月2日生まれなので、20歳4か月で開幕戦を迎えることになる。ヤクルト球団史上、もっとも若い開幕4番バッターは「22歳0か月」だから(1956年・町田行彦)、新記録となる。周囲の期待も大きいが、こんな指摘も聞かれた。

 「村上の前後を打つ3番と5番が、若い主砲を育てることになります。高津臣吾監督はトリプルスリー・山田哲人を2番に置く攻撃的打順を編成したいとしているので、3番は青木宣親、5番は雄平ということになりそう。対戦チームは村上との勝負を避け、5番の雄平、6番の西浦と勝負するのでは」(前出・同)

 2番・山田、3番・青木と続く上位打線はそれなりに高い出塁率も期待できる。山田が出塁すれば、青木の打席の時に単独スチール(盗塁)、あるいはヒットエンドランといった機動力を絡めた作戦も選択されるだろう。しかし、次に4番の村上を迎えた時に一塁ベースが空いていたら、捕手が立ち上がるような露骨なやり方ではないが、クサイところに投げさせて、歩かせる(=四球)。そして、村上ほど長打率の高くない5番・雄平に全力投球する対戦投手も増えてくるだろう。

 「村上が4番を初めて務めたのは、昨季の5月12日でした。その後、好不調を繰り返し、4番で固定された時は、その後の5番にバレンティンがいました。バレンティンが4番で村上が5番、バレンティンが3番で村上が4番なんて打順もありました。ホームランバッターが2人続く打線は脅威でした」(ベテラン記者)

 昨季のヤクルト打線はチーム打率こそ2割4分4厘とリーグワーストだったが、総本塁打数は167本でリーグ2位。総得点656点もリーグ2位だった。つまり、打率は低くても大量得点のビッグイニングを作り出す恐怖があったのだ。今のところ、今季のヤクルト打線には山田と村上を抑えれば、大量失点につながる怖さはない…。
 「巨人も岡本和真を22歳のシーズンで4番に固定しましたが(18年)、その時は阿部慎之助もまだ元気だったし、翌年には丸佳浩を補強して岡本一人に対戦投手のマークが集中しないようにしてきました」(前出・プロ野球解説者)

 そう考えると、経験豊富な雄平が村上にどんなアドバイスを送るかで、村上の成長のスピードが変わってくる。また、3番の青木がどんな状況で村上に回すかで、チームの総得点数も変わってくる。村上はおっとりした性格で、口数もあまり多くない。元ベイスターズの筒香も悩みながら4番としての貫禄を形成していった。村上を悩ませることのないよう、青木、雄平には頑張ってもらいたいものだ。(スポーツライター・飯山満)

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