メインイベントでは、WWEユニバーサル王者ブラウン・ストローマンに、かつての師匠であるブレイ・ワイアットが挑戦。試合は序盤、ストローマンがショルダータックルを放って、“巨獣”と呼ばれるそのパワーを見せつけると、反撃をものともせず、鉄製ステップやポストにワイアットを叩きつけて圧倒。しかし、ワイアットもDDTやセントーンから必殺のシスター・アビゲイルを決めるもカウントは2。続けて、シスター・アビゲイルを狙うワイアットだったが、逆にストローマンがチョークスラムやランニング・ショルダータックルで反撃すると、突如かつてワイアットの手下として使用していた黒羊マスクをかぶってワイアットと対峙。
黒羊マスクを渡すことで直前までストローマンをゆさぶってきたワイアットは「この意味がわかるか?今回はうまくいくぞ!」と高笑い。ストローマンと抱き合ったが、これはストローマンの作戦だった。ストローマンは黒羊マスクを踏みつけると、一気にランニングパワースラム決めてカウント3。ストローマンはこれまでやられてきた心理戦を逆に仕掛けてワイアットに勝利すると、「自分の力でやれるんだ」と叫びながら、ベルトを掲げて王座防衛をアピール。この試合を見る限り、ついに覚醒したストローマンに勝てる選手はいるのか?と思わせる完勝劇だった。
セミファイナルでは、WWE王者ドリュー・マッキンタイアが、リーダーを主張する“月曜夜の救世主”セス・ロリンズと同門によるタイトルマッチを行った。ロリンズは身体能力を活かしながら、トペ・スイシーダやスリング・ブレイドを決めると、「俺の運命だ!俺の王国だ!」と言いながら、フライング・ハイニー3連打を放ってマッキンタイアに攻め込んでいく。ロリンズは攻撃の手を緩めずにスーパーキックやフロッグスプラッシュ、スーパープレックスやファルコンアローを決めるも、マッキンタイアはカウント2でクリア。驚異の粘りを見せる。すると、最後はマッキンタイアがロリンズのスーパーキックを食らいながらも踏ん張って、必殺のクレイモアでロリンズを沈めてカウント3。マッキンタイアがWWE王座の防衛に成功している。
試合後、マッキンタイアは倒れ込んだロリンズに手を差し伸べると、「ロリンズはリーダーであることを世界に示した。男らしく握手をしよう。ありがとう」と言って、正々堂々と握手を交わして称え合いノーサイド。セミファイナルながらまた見たいと思わせる好勝負に、世界中のファンがSNSで両選手を称えた。
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