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大阪府吉村知事「パチンコの依存症問題」発言が話題 パチンコに依存してしまう心理的メカニズムとは

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画像はイメージです

 大阪府の吉村洋文知事が25日、自身の公式ツイッターで、新型コロナウイルス拡大防止に向けた休業要請に応じずに営業を続けるパチンコ店と利用客を批判した。

 吉村知事は、「緊急事態宣言下、行政の呼びかけも関係なくパチンコ店に押しかける。一律10万円配っても一緒」と指摘。パチンコ依存症の問題についても「正面から取り組むべき」した上で、「ここで感染が広がっても、医療従事者や行政は命を救う為に活動する」などと遺憾の意を示した。

 コロナ禍にもかかわらずパチンコ店を利用する客は、開いている店を探して集まり、開店前から行列を作っている。営業している店舗でも席の間隔を空けるなど対策をとっているとはいえ、「3密」になりやすいハイリスクな環境の中、なぜ遠出してまでパチンコに通うのか。パチンコには、一度ハマるとなかなかやめられない理由と、心理的メカニズムがある。

 人は“報酬”があると積極的になるが、報酬が与えられるタイミングは場合によって異なる。このタイミングのことを、心理学用語では「強化スケジュール」と呼ぶ。パチンコのようにいつ大当たりがくるのか分からないような、不定期なタイミングで報酬が与えられるパターンを「変動比率スケジュール」という。変動比率スケジュールは、強化スケジュールの中でも最も人がハマりやすく、ハマるとやめられないという、高い依存性を持っている。

 また、パチンコにハマってしまっている人の脳の中では、脳内の神経伝達物質の分泌に異常な働きが起こることも分かっている。例えば、興奮や緊張、集中している時などに分泌されるノルアドレナリンや、安心感・幸福感・満足感などをもたらすセロトニンをはじめ、大当たりを期待している時のワクワク感や快楽をもたらすドーパミンなどが多く分泌される。パチンコをしていない時に、その心地良い快感の再体験を求めてしまうのだ。

 これらのことから、パチンコがいかに依存性の高い行為であるかが分かる。また、もともと何かに依存しやすい人がパチンコにハマってしまうと、依存症になりやすい。

 パチンコ依存症になると、自分の意思だけでは衝動を抑えることが難しくなる。その結果、自分の行動を正当化してしまうことも少なくない。

 今やパチンコは、依存症や個人の経済的な問題だけでなく、未知のウイルスへの感染リスクがあるとして危険視されている。

 パチンコをやめるには、他に興味が持てるものを見つけてハマるのがベストだ。もちろん、新しくハマるものは、より健全で、自分や周囲の人に与えるリスクが低いものであることが望ましい。

文:心理カウンセラー  吉田明日香

記事内の引用について
吉村洋文氏公式ツイッターより
https://twitter.com/hiroyoshimura

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