今季も、春季キャンプはプロ入り後初めての2軍スタート。じっくりと調整を積み、3月25日に行われたタイガースとの練習試合で、今季初の一軍登板を果たすと、以前よりもストレートで押すピッチングを見せ、1回無失点とアピールに成功。「しっかりと投げられる姿をアピールできて良かった。腕の振りは(手術前と比べ)同じか、いい状態になっている」と自己評価。ラミレス監督も「とてもいいパフォーマンス。ストレートは150出ていたし、必要な時にストライクからボールになる変化球も使えていてとても良かった」と笑顔を見せていた。
現在は開幕も未定の状況だが、経験豊富で自然体の右腕は「開幕は不透明だがコンディションの維持はしていきたい」とし、球場での練習時間も制限される自主練習を強いられているが、「限られた時間と環境なので、より効率的に練習を行う」と、創意工夫で乗り越えると明かす。本来なら開幕日をターゲットに、逆算して身体を作り上げていくが、「開幕という目標に漠然と向かっていくことは難しいので、一日一日、短いスパンで目標をクリアしていく」ことを心掛けて、練習に取り組んでいる。
2014年のルーキーイヤーから、ほぼ毎年60試合前後マウンドに上がり続け、クローザーやセットアッパーとしてブルペン陣を支えてきた三上。「みんなアマチュアじゃなくプロなんで、まとめ役とかではないですよ」と謙遜するが、選手会長も務めたこともあるその経験と、持ち前のクレバーなピッチングはベイスターズのブルペン陣にはまだまだ欠かせない存在。頼れる長男の復活は、ベイスターズにとって心強いことこの上ない。
取材・文 ・ 写真/萩原孝弘