プロ野球はいったん活動を止めたチームもある。自主練習の取材を許されても、質疑は「3メートル以上離れて」というやりにくさ。高校野球にしても、学校自体が休校となったところも多い。かといって、野球だけが例外ではない。他のスポーツ競技も活動したくてもできない状況なのだ。
しかし、興味深い情報も聞くことができた。これはNHK、民放各局が定期的に行っている会見で出たものだ。
<東京五輪が延期されたため、今夏の番組コンテンツが足らない>
新型コロナウイルスの感染拡大がなければ、東京五輪は今年7月24日から8月9日まで行われる予定だった。競技そのものは日中だが、夜のゴールデンタイムで注目競技や日本人選手の活躍した種目を編集し、「一日中、オリンピックをオンエアする日」も設けていたそうだ。それは、どのTV局も同様だ。
「4月スタートのドラマもオリンピック中継を見据えて、放送回数を設定しました。ドラマ終了と同時にオリンピック、オリンピックが終わったら、新ドラマがスタートというスケジュールでした」(芸能ライター)
どのTV局もゴールデンタイムに予定していたオリンピック放送ができなくなった。しかも、代わりにオンエアする番組もまだ決まっていない。
この状況から見て、NPBが7月までにペナントレースをスタートさせることができれば、各局とも「プロ野球中継」を検討するのではないだろうか。
「当初予定されていたプロ野球の開幕戦の日程が流れた直後、日本テレビは定例会見で『巨人の開幕戦を放送できないかもしれない』とコメントしています。巨人の身内である日本テレビがそんな言い方をしたのだから、バラエティ番組を急いで制作するのでは?」(前出・同)
しかし、巨人、阪神、ソフトバンクなどの人気球団や、カープ女子で全国区となった広島が優勝戦線でしっかり戦っていれば、地上波放送の可能性は十分にある。とは言え、今年の巨人に対する評価はさほど高くない。特に先発投手陣が不安定で、エース菅野に続く2番手以降には「期待値を込めて」という評価だ。
「新加入のサンチェスの調子が上がってこなければ、2番手は左腕・田口、次は高卒2年目の戸郷。戸郷はシーズンを通して先発ローテーションを投げるのは初めてなので、体力面でも心配です。桜井、メルセデスは出遅れ、開幕戦の延期で救われたようなもの」(スポーツ紙記者)
こんな光景も見られた。その戸郷が新型ウイルスの感染防止のため一時帰国している山口俊の元に行き、カットボールやフォークボールなどを学び直していた。
「昨秋から、戸郷は新しい変化球を習得しようとし、山口にアドバイスを仰いでいました。オープン戦ではその新しいボールをあえて封印したとの情報も交錯していますが」(前出・同)
育成2年目の沼田翔平なる投手がいる。今春のオープン戦でも好投したが、18年夏の甲子園大会に出場した際は「俳優・福士蒼汰似」とも紹介されている。原辰徳監督も一目を置いているそうだが、この沼田が支配下登録され、一軍戦に出てきたら、地上波放送も決まるかもしれない。“イケメン投手”の飛躍に期待したい。NPBは総力を挙げてプロ野球中継を売り込むべきだ。(スポーツライター・飯山満)