プロ野球開幕戦が新型コロナウイルスの感染・拡大防止のため、延期となったのは既報通り。12球団関係者は納得していたが、新たな問題が発覚した。先発投手の調整だ。
「開幕投手の調整です。ファンに向けての発表をしていない球団もありますが、ほぼ全球団はエース級のピッチャーを立てています。彼らは少なくとも、3月20日の開幕戦に合わせて調整してきました」(ベテラン記者)
巨人・菅野智之は一部メディアに「3月20日にピークを持っていく。それで…」と語っていた。20日、本当に試合で投げたのと同じくらい練習で体を疲れさせ、その後も調整していくつもりなのだろう。
「オープン戦で調子の良いピッチャーが、体調を崩してしまう危険性もあります。もちろん、その反対もありますが」(前出・同)
NPBは今後、4月中の開幕を目指して協議を続けていく。12日にその代表者会議が開かれるが、そこで「4月のいつ頃が開幕戦になるのか」の目安を立てられなければ、菅野や他球団の開幕投手は今後の調整がますます難しくなるだろう。
しかし、こんな声も聞かれた。
「10日、ローテーションの3番手を予定している戸郷がめった打ちにされています。まあ、再調整の時間稼ぎになれば…」(関係者)
また、この開幕戦の延期を“ビジネスチャンス”を変えようとする球団もあった。千葉ロッテだ。千葉ロッテは10日、トラのレジェンド・鳥谷敬の入団を発表した。その鳥谷を指して、
「阪神の選手グッズの売上げですが、鳥谷のグッズがほぼ毎年、売上げトップなんです。その鳥谷グッズのロッテ版を作れば、確実にさばけます。阪神ファンが鳥谷のロッテグッズを買ってくれるのは間違いありません」(前出・同)
阪神ファンが「ロッテ版・鳥谷グッズ」を購入すれば、大きな収益となるだろう。鳥谷のロッテでの推定年俸は1600万円。あっと言う間に元手を取り戻せるだろう。
巨人は投手の再調整、一方ではビジネス。まあ、こんな風に前向きに考えなければ、やっていけないというのが球界のホンネだろう。強がっている菅野にしても、本当は調整が難しいと思っているはず。強がりもエースも仕事だから仕方ないか…。(スポーツライター・飯山満)