この日の『しくじり先生』は不定期の「お笑い研究部」を放送。実力はありながらも、いまいちパッとしないお笑い芸人にレギュラー出演者たちがアドバイスし、新しい芸風を開拓していくというものだ。
今回登場したインディアンスは、2019年M-1ファイナリストという輝かしい実績を持ちながらいまいちブレイクできずにおり、ツッコミ担当の「きむ」の人間性が見えてこないことが原因では、とされた。
明るくて声も大きく頭の回転も早いボケ担当の田渕章裕と違い、メガネでいかにも気の弱そうなきむ。2019年のM-1の出場前に画面に映った、“昔のコンビ写真”の挑発でチャラ男に見えるきむを見たスタッフたちの間では「どう扱っていいかわからない」と話題になったそうだ。新人の頃から見ていたという平成ノブシコブシの吉村は「彼がいったい何を考えてるのか分からない」「かっこつけようとしている」と酷評。
番組ではきむのプロフィールを読み解きながら、きむの「心の鎧」をはがしていった。すると、きむは本当はキングコングやりゅうちぇるのような「主役」になれるようなタレントを目指していたのだが、自身の実力が足りず、うまくキャラクターを確立できていないことに悩んでいたという。
そんな自分に素直になった瞬間、きむは本番中にもかかわらず、滂沱(ぼうだ)の涙を流し始め、自分の感情に素直になると約束。それを見た田淵も涙を流すという美しいコンビ愛を見せた。
そして、新生・インディアンスとして漫才をし、泣きながら相方・田淵に「お前はすごいよ」「おれもっと頑張るよ」とべたぼめ。そんなきむに、MCのオードリー若林も困惑しながらも「一周回ってかっこよかった」と大絶賛し、ノブコブの吉村も「よかった」と拍手をしながら喜んでいた。
この内容はネットでも大きな評判となり、「きむの頑張りに泣けた」「これからのインディアンスに期待したい」と好意的なコメントが見られた。
事実、若林、吉村ともに現在のポジション、芸風に至るまでは数々の試行錯誤があったという。かつてはきむと同じように凝り固まった考えを持っていたはずだ。それゆえ、今回の放送はより広く悩んでいる若者たちに響いたようだ。