このほかにも注目コンビが多くおり、その一つがインディアンスだろう。キャラの立ったボケの田渕章裕と、眼鏡のツッコミのきむこと木村亮介からなるコンビである。とにかくボケ倒す田渕のキャラは、2004年の同大会で優勝したアンタッチャブルのザキヤマこと山崎弘也を彷彿とさせる。ネット上では「これってアンタッチャブルのパクリなんでは」といった声も聞かれたが、アンタッチャブルは先ごろコンビ復活を遂げるまで、約10年間にわたって沈黙していたコンビである。そのため、アンタッチャブルを知らない世代にとっては新鮮に映ったようだ。
さらに、インディアンスが沸いたのは登場VTRであろう。田渕は現在の面影があるものの、きむの格好がまったく異なっている。眼鏡の大人しそうなキャラとは別に、長髪で眉をしかめた姿は完全に「関西のヤカラ」である。そのため、ネット上では「さらっと出てるけど、これはヤバイだろ」「これ、今に至るまで何があったのか気になる」といった声が聞かれる。ネットでは木村が元ヤンといった説も流布しているが、うなずけるルックスではある。
キャラクターや芸風は芸人にとっては要と言えるだろう。同じ『M-1』で爪痕を残したすゑひろがりずも、過去にどんなネタでもウケず、開き直って行った和風コントがウケたことで現在の芸風を確立した。インディアンスもネットで言われるような「アンタッチャブルのパクリ」だけではない、試行錯誤の歴史があったのは確かであろう。
インディアンスは今のところ、田渕の「ボケ倒し」「テンパリキャラ」が注目されがちである。実際に、本番ではネタを飛ばしたため、成績が思ったより振るわなかったようだ。だが、テレビのバラエティ番組などでは、まるで見た目の違うきむのギャップの方が面白がられるかもしれない。