ブシロードはグループを挙げて、新型コロナウィルス感染拡大の予防対策を早期から取り組んでおり、真っ先に足りないノートパソコンを購入し、在宅勤務や時差通勤に対応している。また、外部の人間を入れた会議なども、LINEやSkypeを駆使するなど、対面する機会を減らす努力をしているという。ブシロード主催の公演や声優が出演する予定だったイベントも中止。スターダムも22日の東京・新木場1stRING大会までを中止にすると発表している。
「プロレスは密閉空間だから(判断が)難しいですよね、大会数も多いし」
木谷オーナーはプロレス興行の自粛基準について持論を述べると、同じブシロードグループの新日本プロレスに関しては、「現場に任せている」と基本的にはノータッチの考えだが、スターダムは24日の後楽園大会以降については、「15日まで自粛要請が出ているので、政府の発表を待ちながら」とした上で、「出来るものはやっていく。天井が低くて人が集まるところは厳しい。ただ、段々とどうしたら移らないかも分かってきている。お客さん全員の体温チェックは必要。あと、マスクの着用ですね。そうすれば安心でしょう」と今後の対策について語った。
YouTubeの無料生配信を使った初の無観客試合については、「ちょこちょこ(スマホで)画面越しでも見てたんですけど、違和感はなかった。やる側の問題であって、見る側は問題はなかったんじゃないですかね。選手は(観客の)リアクションとか影響はあったと思いますけど、いろいろと可能性が見えましたし、3万から4万人のユニークユーザーに見てもらえた。やって良かったと思う」と史上初の大会のメリットはあったようだ。
今大会は「チャレンジ」をスローガンに掲げていたが、「レスラーがお客さんがいなくても試合が出来るのか?」というチャレンジに対して、選手たちは全力で応えていたように見えた。実況席でゲスト解説を務めた獣神サンダー・ライガー氏も「みんなそれぞれ個性がしっかりしてる。本当に面白かった。観客が居ない状態での試合で、選手もやりにくいんじゃないかなと、元選手としても思っていたんですけど、全然普段と変わらないような感じだったんじゃないですか?すごく面白かったです。また機会があれば解説とかで来て、次の試合、その次の試合と選手が成長していく様を見られたら、またそれはそれで、この団体に対する愛着っていうのも湧くと思う」と語っており、“再登板”にも意欲的だった。
選手たちはこの大会をしたことで、ファンの有り難さを再認識したという声を多く耳にした。これはプロレスに限ったことではないだろう。1日も早く事態のゴールが見えることを願うばかりである。
(どら増田)