そんな許しがたい暴力の中で、世間を大いに怒らせたのが、2015年4月、滋賀県湖南市で発生した事件だ。クレームをつけたのは24歳の男。4月29日午前3時半頃、飲食店のドライブスルーを3人で訪れた際、「注文の商品が足りない」と指摘。そして、「殴らせろ」などと因縁をつける。しかし、ここは友人2人が止め、店を去った。
ところが、男は怒りが収まらないのか、「威圧できる」と感じたのかは不明だが、帰宅後に店に電話し、「店員の帽子のツバが俺の顔に当たった。謝罪に来い」と要求する。本来、店としては断るべきとも思えるが、これを受け入れてしまう。男は自宅を訪れた店員と店長に対し、土下座を強要。さらに、土下座中に殴る、後頭部を足で蹴るなどして暴れ、全治2週間の怪我を負わせ、傷害の疑いで逮捕された。
この常軌を逸した犯罪に、ネットユーザーが「人間じゃない。自分が上になれることに喜んでいるだけ」「行動がカスすぎる。親の顔が見てみたい」「こういう人間が存在することが許せない」などと、激怒の声で溢れ、炎上。
ネット上で特定が進み、男と思われる画像が流出。画像に写った犯人とされる人物は「半グレ」のような容貌で、仮にそれが犯人であるとすれば、恐れおののいてしまうのも無理はないと思わせるものだった。
男への怒りが高まるともに、ネットでは店員と店長についても、「おもてなし精神から謝罪に向かったのだろうが、キッパリと断るべきだった」「おかしな人間にそこまで謝罪する必要はない」「金を返せばよかった」など、対応を疑問視する声が上がった。
土下座をした上、暴力を受けた店員と店長を責めるのは酷だが、対応としてはまずいもの。自らや従業員の命を守る意味でも、行き過ぎたクレームについてはキッパリと断り、然るべき部署や警察などに相談するべきだろう。