『テレ・マーカーPresents KNOCK OUT CHAMPIONSHIP.1』
▽11日 東京・大田区総合体育館 観衆3,280人
ブシロード傘下のブシロードファイトが運営しているキックボクシング団体KNOCK OUT(ノックアウト)が11日、東京・大田区総合体育館にて今年最初の大会を開催した。
昨年8月から山口元気プロデューサーによる新体制となり、その象徴的な存在が、シンデレラストーリーを歩み出し、現在デビューから無傷の6連勝中の女子キックボクサー、ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE)。昨年2月にデビューしたぱんちゃんが、デビュー1周年の節目となる今大会で逆指名した相手は、昨年8月に大田区総合体育館で対戦した祥子JSK(JSKキックボクシングジム)。「今なら成長した姿を見せられる」という強い思いを抱いて、判定で唯一、2-0に終わった祥子に完勝するビジョンを描いていたという。
1Rは前回と同じく一進一退の攻防になったが、2Rに入るとぱんちゃんのローキックが祥子に大きなダメージを与える。そこで、一気に攻めようとローの一辺倒になってしまったため、その後、祥子にガードされ最終ラウンドもぱんちゃんは攻め切れず、試合終了のゴングが鳴らされる。今回は判定ながらも3-0のストレート勝ちを収めたが、ぱんちゃんは納得のいかない表情を浮かべた。
インタビューフロアに現れたぱんちゃんは「練習では出来たのに何で出来なかったんだろう」と困惑した感じで、話の途中には悔しさのあまり、「ダメですね。練習でしたことを出せないと」と涙を浮かべる場面もあった。今回は、同じブシロードファイトが運営している女子プロレス団体スターダムのワンダー・オブ・スターダム王者で、元シュートボクサーの星輝ありさと合同練習をしており、「星輝選手は楽しんでいる。私も『楽しめ』と会長に言われるんですけど、一緒に練習してて凄く楽しかった。これはまた続けたいですね」と継続宣言。STRUGGLEの鈴木秀明会長も、「星輝選手との練習は良かった」とこれを後押し。星輝も7日のスターダム東京・後楽園ホール大会で王座防衛後、「蹴りの間合いとか、すごくスパーリングやったことで思い出したので、この試合に活かせた。ぱんちゃんも勝ったら祝杯です!」と練習の成果があったことを明かしており、「またジムには(合同練習をしに)行きたい」と2人は意気投合している。
「今年はキレイな試合をしたい」
このように語るぱんちゃんは、チャンピオンクラスの選手との対戦を望んでいる。「メンバーが集まれば」と前置きをしつつ、トーナメントの開催にも意欲を見せている。1年目は一気に駆け抜けたぱんちゃんにとって、無駄なことは何一つなかった。今回味わった悔しさもしっかり受け止めているだけに、次の試合では、悔しさを強さに変えて披露してくれるはずだ。
(どら増田)