2007年に巨人に入団し現在までプレーを続ける31歳の坂本と、1998年から2005年まで巨人に所属した42歳の小田氏。この両者は所属期間こそ被ってはいないが、昨シーズン限りで現役を引退した巨人・阿部慎之助(現巨人二軍監督)の自主トレを通じて面識・交流があることが知られている。
坂本は日本が世界一に輝いた同大会で7試合に出場し、「.308」と3割超えの打率をマーク。ただ、台湾で行われたオープニングラウンド3試合が終了した時点では「.273」と今ひとつの数字にとどまっており、その後日本で行われたスーパーラウンドでは第1戦目のオーストラリア戦でスタメン落ちを味わってもいた。
台湾での不調について、坂本は「全然打てなくて、メディアの人にも叩かれて」と口にした上で、「『来なかったらよかったな』と思っていた」と精神的にかなり苦しんでいたことを告白。
また、「くっそー!」、「見とけよ!」という思いを胸に評価を覆そうとするも、「台湾(で)は練習環境が全然なかった」ため、なかなか状態を上向かせることができなかったことも明かした。
なお、動画内では「練習環境」の詳細については触れられていないが、スーパーラウンドについて伝える各メディアの報道では、坂本が会場となった東京ドームのグラウンド、及びに室内練習場で、連日打撃練習に打ち込んでいたことが広く報じられている。このことから、坂本の言う「練習環境」は打撃練習の時間や設備のことを指していると思われる。
復調のきっかけをつかめない中、台湾滞在中は体幹トレーニングやエクササイズに取り組んでいたという坂本。ただ、「年齢的に日本代表では上の方なので、調子のいい悪いで態度が変わったりはしないように(してました)」と、周囲には気丈に振る舞っていたという。
今回の動画を受け、ネット上のファンからは「海外遠征は食事面で苦しむ選手は多いけど、練習面で苦しむ選手もいるのか」、「確かに台湾では不調だったな、もし練習できてればまた違ったのかな」、「それでも最終的に3割クリアするのはさすが」といった反応が寄せられている。
今回の動画では、当時の坂本の不振を心配した小田氏が、復調を願って坂本がホームランを打った際の映像をまとめた動画を個人的に送っていたということも明かされている。坂本は小田氏に対し、「気持ちがめいっている時だったので、『ありがたいな』と思いながら見て(ました)」と感謝の言葉を口にしていた。
スーパーラウンド第2戦のアメリカ戦ではノーヒットに終わっただけでなく3三振も喫してしまったが、その後の3試合で「.455」と息を吹き返し最終打率を3割台まで持っていった坂本。もしかしたら、小田氏の心遣いも復調に一役買っていたのかもしれない。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
小田幸平氏の公式ユーチューブチャンネルより
https://www.youtube.com/channel/UCl5XxVyJYNq7gOkemprMBiA