一方、東京オリンピックの影響で例年より1週間ほど早い3月20日に開幕する2020年のプロ野球でも、シーズン中の大記録達成が期待されている選手たちがいる。
今シーズンプロ14年目を迎える巨人・坂本勇人は、昨シーズン終了時点で1884安打をマーク。ここまでの13年間で1シーズン平均約145安打を放っていることを考えると、大きな怪我などがなければ来シーズン中の「2000本安打」達成は確実と言える状況になっている。
なお、坂本は今年の7月13日までに2000本安打を放てば、毎日オリオンズ(現ロッテ)などで活躍した榎本喜八さん(故人)が1968年7月21日に樹立した「31歳7カ月」を上回り史上最年少での記録達成となる。来シーズンの巨人は3月20日の開幕から7月13日までの間に94試合が予定されているが、この期間内での達成があるかどうかも注目だ。
昨シーズン途中からドリスに代わり守護神を務めたプロ22年目の阪神・藤川球児は、56試合に登板して16セーブをマーク。この結果、日米通算セーブ数は243となり、名球会への入会が認められる「250セーブ」まであと7というところまで迫っている。
藤川は昨シーズン、防御率も1.77と非常に安定していたことから、今シーズンも継続して守護神を務めることが濃厚。チームがどれだけセーブシチュエーションを演出できるかにもよるが、順調にいけば4月中にも記録達成の瞬間が訪れることが予想される。
プロ7年目の西武・山川穂高は昨シーズン120打点をマークし、史上6人目となる2年連続120打点をクリアした選手に。迎えた今シーズンも120打点以上をマークし、「3年連続120打点」をクリアすることが大いに期待されている。
ただ、過去に2年連続120打点をクリアした5名のうち、3年連続120打点をクリアしたのは元ダイエー・ソフトバンクの松中信彦氏(2003-2005)のみ。元巨人・王貞治氏(1976-1977)、現DeNA監督・ラミレス(2007-2008)といった強打者でもクリアできなかった難しい記録のため、山川がどこまで迫れるかは一見の価値ありといえるだろう。
記録達成となれば大きな話題となることはまず間違いないこの3名だが、果たして記録を達成し球史に名を残すことができるだろうか。
文 / 柴田雅人