健介は2月11日、東京・後楽園ホールでのDR主催興行で愛弟子の中嶋勝彦とシングルマッチで対戦し、初めて敗退。試合後、リング上で「もう思い残すことは何もない。皆さん、この28年、佐々木健介を応援してくれてありがとうございました」とあいさつし、引退をほのめかしていた。
引退試合や引退興行を行う予定はなく、11日の試合を最後に、リングを下りることになった。13日の会見で、今後について、「やったことないことにチャンレンジしたい」と明言を避けたが、3月(7日〜30日)には、明治座で上演される萩本欽一演出の「欽ちゃん奮闘公演 THE LAST ほめんな ほれんな とめんな」で初の舞台に挑戦することが決まっている。
随分、唐突な印象を受けた引退表明だが、DRの今後の興行日程は現時点で白紙になっており、計画的な引退だったことが推察される。
DR(旧健介オフィス)自体、生え抜きの有望選手がデビューしても、すぐに辞めてしまう状況が続き、全く若手選手が育たず。健介自身は、12年10月に手術を受けた首に爆弾を抱えて、納得できるファイトができなかったようで、引退はいい潮時だったようだ。団体の象徴である健介が現役を退くことで、DRは興行規模を縮小し、所属選手を他団体に派遣するプロダクション化していく可能性が高い。
ところで、今後に関して、「スノボをやりたい」などと、非現実的なことも語っていた健介だが、さしあたって、本格的に芸能活動をしていくものと予想されているが、“第2の人生”は、そんなに甘くはないようだ。
「健介は今売れっ子ですが、あくまでも、それは『現役プロレスラー』の肩書きがあるからです。引退して、普通の人になったら、間違いなく需要は減ります。まして、健介は妻で所属団体社長の北斗晶の存在があってこそ、芸能の仕事があるのです。北斗は口が達者で自己アピールも上手いため、“ママタレ”として生き残りそうですが、一方の健介はしゃべりもできず、不器用なため、タレントしては難しいと思います。芸能界以外の仕事を考えないと、最悪、北斗の“ヒモ亭主”になりかねません」(某テレビ関係者)
現在はタレント業も順調な健介だが、プロレスを辞めて本業としてやっていくのは、簡単なことではなさそうだ。
(落合一郎)