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ソフトバンクが優良助っ人「買い占め」

 巨人、阪神は“不戦敗”ということになりそうだ。

 中日の優良外国人選手、中日のアレックス・ゲレーロ(30)がクライマックスシリーズの結果を見ず、帰国した(10月7日)。来日1年目で35本塁打を放ってタイトル獲得。86打点、長打率5割6分3厘。5位低迷の中日はシーズン中から契約延長の交渉を始めたが、「中日には残りたいけど、ビジネスだから」「自分の価値を下げるつもりはない。もっとも高く評価してくれる球団で…」と、中日側を“牽制”してきた。今季の推定年俸は1億5000万円。ゲレーロ側は大幅増のほか、3年以上の複数年契約も希望していくとされ、「決裂は時間の問題」とも目されている。

 そこにつけ込んできたのが、巨人と阪神。両球団とも「マネー戦争も覚悟の上」と意気込んでいたが、正式交渉前なのに撤収の様相も漂い始めた。

 「ソフトバンクがゲレーロ獲得に向けて動き始めたからですよ。ソフトバンクとマネー戦争になったら、勝ち目はない」(プロ野球解説者)

 今季のソフトバンクは、パ・リーグ史上最速となる9月16日にリーグ優勝を果たした。その圧倒的な戦力からして、補強の必要性はなさそうだが、ゲレーロ獲得の本気度は巨人以上だという。

 「ソフトバンク、というか、孫正義オーナーは巨人のV9を超える目標を掲げており、そのためには球団スタッフも『勝ち続けるには、選手の入れ換えは必須』と捉えています」(球界関係者)

 そう言われてみれば、これまでも他球団で活躍した助っ人を“強奪”してきた。13年オフに前オリックスの李大浩、広島、西武を渡り歩いたサファテを獲得。昨年オフもロッテの主砲・デスパイネを強奪している。この強奪がリーグ優勝にもつながってきただけに、ゲレーロの他球団流出を黙ってみているわけにはいかないようだ。

 「仮説の話をしても仕方ないが、デスパイネの獲得に失敗していたら、今季、ここまでロッテは惨敗しなかったと思う。補強と同時に他球団の急所を突いてくるというか…」(前出・プロ野球解説者)

 中日に詳しい関係者によれば、ゲレーロは新たに提示される年俸額によっては「3年契約の希望は引き下げても良い」としているそうだ。同関係者によれば、複数年契約を引き下げる希望年俸額は5億5000万円以上。ちょっと、待てよ…。今季の中日は21億8000万円(12球団中12位)。ゲレーロ1人でチーム総年俸の4分の1を持っていく計算となり、増額分を上乗せするとなったら、球団経営そのものにも影響してくる。

 こうしたゲレーロ側の強気な条件提示に対し、「年俸5億円強、3年契約」から交渉をスタートさせるというのだ。巨人、阪神の両伝統球団でも太刀打ちできそうにない。

 「ヤクルトのバレンティンも今季で契約が切れるので、こちらに乗り換えるという話もあれば、台湾・ラミゴに海外志望の強い好打者がいて、こちらを優先するなんて話もあります」(前出・関係者)

 バレンティンは年間本塁打の記録を塗り替えたが、故障が多い。ラミゴのワン・ボーロンは24歳と若く、今季も200安打、打率4割超えと大活躍しているが、日本で通用するかどうか、未知数な部分が多い。

 「今年のWBC本番前、侍ジャパンが台湾選抜チームと試合をし、ワンは則本からバックスクリーン直撃の本塁打を放ち、日本の関係者にも強いインパクトを残しています。巨人以外のシーズン中に視察チームを派遣したと聞いています」(前出・同)

 ゲレーロは米ドジャースでそれなりの活躍をしていたが、出場機会を求めて日本のプロ野球チームとの交渉を受け入れた。巨人、阪神も昨年オフの時点でゲレーロ側と接触しているが、中日を選んだ理由は、森繁和監督の熱意に打たれたからだという。

 「森監督はコーチ時代からシーズンオフになると、キューバをはじめ、各地を直接視察し、自分の目で選手を見極めてきました。ゲレーロは自分を直接見てくれた唯一の日本関係者と、森監督と中日に絶大な信頼を寄せていました」(前出・同)

 そんなゲレーロから「ビジネス」の言葉を聞かされた森監督の心境は…。巨人、阪神もそうだが、このまま泣き寝入りということになれば、チーム再建は永遠に果たせないだろう。

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